フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
代々木上原の「グリ」さんですが、ランチは何度かお伺いしているのですが、夜は初めて。この頃、食べ歩いている方がとても注目されているので、どんな進化をされているか楽しみにお伺いしてきました。
夜のコースは「8 PLATE 5000円」の一種類のみ。(2017/1/17からお値段が変更となり、「8 PLATE 7,000円」となります。)その理由はワインやノンアルのペアリングにバッチリ合わせたいためとのこと。以前からマリアージュはすごく好みでしたが、より追求し進化ているようです。
コース1品目「一山いけす 宮川さんの蛤 昆布」。大きなハマグリをシンプルにフリット。昆布とハマグリの旨味、そしてジューシーさが存分に楽しむことができます。
「フォアグラ 蕎麦 カシス」。生命を感じる見た目はとても可愛らしく、一口でいただきます。スイーツのような甘さとコクが病み付き。
自家製パンは近所にあるサンカントサンクで焼いています。表面ぱりっと中はモッチリなパン。
この日、ワインはペアリングコースではなく、個別に出していただきました。しっかりめなオレンジワイン。
「もの凄い鯖 ビーツ ザクロ」。真っ赤なお皿には鯖がいるようには見えませんね。
無添加で自然発酵な鯖には、ぎゅっと旨味が詰まっています。ここにザクロのぶつぶつ感とビーツのサクサク感、とっても楽しい組み合わせ。まさか鯖も真っ赤なものに囲まれるとは思っていないはず。
そして後半のワインはロゼに。ソムリエの外山さん、何も言わずとも好みを加味しつつ、お料理にも合わせていただけます。(ホントはペアリングセットで飲むのをおすすめします。)
「茸 米 バルミジャーノ」。茸やら色々な旨味がたっぷりの一皿。茸大好き!
「サーモン キャベツ 味噌」。味噌?と思いおそるおそる頂くと、「あれ?」と一度不思議な感覚に陥るソース。
見た目はかわいい餃子ですが、中身はサーモンとキャベツ、そしてソースには味噌な風味もしますが、クリームと酸味が共存する不思議なソース。味わいがとても面白いです。
「鴨 葱 黒にんにく」。これが噂のサトーブリアン風に焼いた鴨ですね。しっかりと旨味を閉じ込めたお肉に強めのニンニクとネギの風味。ネギは焼いているので、かなり旨味がすごいんです。鴨ネギな一皿。
「ホワイトチョコ 苺 ブラータ」。デザート1皿目はかなり好みな組み合わせ。ホワイトチョコと苺の鉄板な組み合わせに、ブラータがもう生クリームみたい。
「チョコレート 菊芋 茸」。こちらはスイーツというより、ワインと合わせるためにできた一皿。ほとんど甘くなく、茸の旨味が強く不思議とチョコレートとも相性がいい。コレはワインが飲みたくなります。
最後はコーヒーをいただきました。
元々ワインセンスがよくマリアージュ上手なお店でしたが、今回お伺いして一番驚いたのが「ノンアルコール」でのペアリング。飲めない友人が頼んでいるものを味見させてもらったのですが、ワインのニュアンスを色々な食材で再現しマリアージュのための「ノンアルコール」を完成させていました。単体で飲むとあまり美味しくはないのですが、お料理を合わせることを意識して研究に研究を重ねて作り込んでいるとのことで、クオリティーがハンパなく素晴らしいのです。
今のシェフとサービスのソムリエさんとの組み合わせ、かなり最強です。進化しつづけるグリ、またお伺いします!