フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
自然派ワイン好きの友人から、エミリアロマーニャ「La stoppa」の生産者エレナさんがいらっしゃるランチ会にあるとのお誘いが。場所は三軒茶屋にある「Bricca(ブリッカ)」さん。いつか行こうと思いつつ未訪問のままだったので、ふたつ返事で参加させていただくことにしました。
生産者のエレナさん。エレガントでパワフルな女性で、葡萄のこと、畑のこと、ワインづくりのことなどを熱心にご説明いただきました。ご自身もワインをたくさん飲むことから、いくら飲んでも身体に優しく不純なものをのぞいたワインを作りたかったとのこと。
そんな想いのこもったワインたちとブリッカさんのお料理とのマリアージュ。まずは「トレッビオーロ・ロッソ・フリッツァンテ15 300円(50cc)」に「キハダマグロと葉玉ねぎのマリネ アンチョビと大葉のソース」のマリアージュ。微発砲の赤ワインで葡萄はバルベーラ、ボナルダ。
優しい発泡にバルベーラな赤の余韻と赤身のマグロの相性がピッタリ!
パンはぶどう酵母をつかった自家製。ワインにとてもあうパン。
「前菜盛り合わせ」。イワシや鴨ハム、レバーに自家製のサラミなど楽しい美味しい盛り合わせ。
「アジェーノ11 650円(50cc)」。マルヴァジア60%、トレッビアーノ40%でつくられるオレンジワインで、香りは甘いのですが、口に含むとしっかりとした辛口でちょっと驚きます。凝縮したエキスと果実感ががあり、余韻には美しい酸味と、強いミネラル感。これはクセになる味。
合わせるお料理は「のどぐろのソテー」。皮目をパリッと焼いた白身魚にカブのソースがのどぐろの旨味を引き立てています。
そして「空豆のラビオリ」。青々しい豆のさわやかさとコク、ラビオリの食感のバランスがすごくいい。
そして写真を取り忘れましたが、ワインは赤に。「マッキオーナ07 450円(50cc)」。葡萄はバルベーラ、ボナルダ。凝縮感のある果実味と香ばしい樽のニュアンス、余韻には爽快さがあり、すごく好み!
そんなワインに合わせるのは肉料理たち。「スパゲットーニ 穴熊のラグーソース」。しっかりとした味の穴熊のラグーには太めのスパゲットーニ。食べ応え十分な一皿。
そして豪快な「羊肉のロースト」。ミルキーな味わいのお肉はホントに絶品!最初はナイフとフォークでいただいていたのですが、最後は手づかみでかぶりついておりました。
デザートはバニラアイスにさくらんぼ。合わせるワインは「マルヴァージア・ドルチェ・フリッツァンテ15 350円(50cc)」。日本では食前酒としてよく飲まれるスパークリングですが、イタリアでは食後のデザートに合わせることが多いとのこと。紅茶のようなライチ、アンズのような果実の甘みの香り、でも酸がしっかりしているので甘ったるくなく、食前でも食後でも嫌みのない爽やかな味わい。
今回ワインは7種類ありましたが、私はこの後仕事が残っていたため4種類だけいただきました。皆さんが一番驚いていたのが「ストッパ04」。ストッパに使われているカベルネ・ソーヴィニヨンですが、高齢のため収穫が年々激減してしまい、最終的には2005年を最後にストッパをつくるのをやめてしまったとのこと。そんな貴重な「ストッパ04」はワインの力強さや複雑がダイレクトに感じられる、驚くべき味。もし「ストッパ04」を見かけたら、是非飲んでもらいたいワインでした。
楽しいランチ会の最後はみんなで記念撮影。楽しい雰囲気そのままを切り取ってくれました。
ワインの素晴らしさはもちろんのこと、ブリッカさんのお料理たちはワインのお料理という感じで、とてもよかったです。やっぱりもっと早くくればよかった(笑)。私にとってはちょっとだけ行きにくい場所ですが、今度また改めてお伺いしたくなるそんなお店でした。