フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
1年ぶりのグリでランチ。近いのになかなか行くタイミングを失っておりました。
この日は「ランチコース 7皿 5500円」と「ペアリング4杯 4000円」のノンアルコールとワインのミックスでお願いしました。ここはワインはもちろんのこと、ノンアルドリンクのペアリングも秀逸なんです。
早速1杯目は「Champagne Florent Bergeronneau Marion Brut Tradition」。
ピノムニエ60%、ピノ・ノワール30%、シャルドネ10%。辛口で飲み口がいい。
「鶏水 トリュフ」
透き通った鶏だしは上質な旨味が凝縮しており、トリュフオイルで香り付け。お腹がほっこりとして、次のお料理へのウオーミングアップにもなります。
「フォアグラ 柿 コリアンダー」
こちらのスペシャリテ。季節によって食材がちょっとづつ違うんですね。今回はフォアグラに柿の甘さとコリアンダーのさわやかさが加わってました。
次の料理に合わせるためのペアリングはジョージアのロゼ。
「Iberieli Chkhaveri Rosé」。
葡萄は土着品種のチュハヴェリ。ジョージアの古い手法のツボに入れて土に埋めるスタイルで作られているようです。土や木の感じ、レモンやグレープフルーツの果実感のフレッシュさ、濁りがあり酵母感も感じる。独特な余韻を楽しめるワイン。
ノンアルコールのドリンクの方は、先ほどのロゼの果実感と酸味、酵母の旨味が再現されており、料理と合わせた時が楽しみ。
ロゼに合わせたのは「越田さんのものすごい鯖 ビーツ 梅」
去年も頂きましたが、すごい鯖シリーズです。去年とちょっと違うのは「梅」を使っているところかな。この梅の果実味と酸味が先ほどのワインを引き寄せている感じで、スムーズに鯖とマリアージュしていました。もちろん、ノンアルとの相性も抜群でびっくりします。
バゲットも表面がカリッと、中はもっちりとして美味しい。
スペインのオレンジワイン「Doris Dore」。
葡萄はドリス。Vino Ambizというワイナリーで、個性的な生産者さんのようです。この濁り具合、見るからに好み。非常にナチュラルでさっぱり感がありますが、ジューシーで複雑味も感じます。
「牡蠣 菊芋 カラマンシー」
フライされた牡蠣、菊芋を酸味のあるソースでさっぱりと。揚げ物の油が先程のワインがすっきりとさせてくれるので、口の中で美味しさがバランスよく増していきますね。
「小麦」
小麦ってなんだろ?と思ったらアラビアータでした。とてもシンプルですが、トマトの甘みと旨味が楽しめます。
お肉に合わせるのはニュージーランドのピノ「サトウ・ワインズ ピノ・ノワール ピサ・テラス 2015」。
日本人の作り手さんのワイン。スミレのフローラルな香り、赤果実の香りが華やか。ベリーの果実味と熟したタンニン、フレッシュな酸がいい感じ。もう少し置いて熟成させても美味しくなりそう。
「お肉料理」
なんと豚肉とキャベツの回鍋風。焼き目のついたキャベツの下に豚肉、甘いソースはまさに中華のニュアンス。
豚肉は美しいピンク色で、甘くて旨味が詰まっていて素材の良さがわかります。何かすごく派手ではないのですが、素直に美味しいと言える一皿。
「山椒 鳴門金時 ごぼう」
甘みを押さえた金時アイスクリームをディラミス風に。ぱりぱりのゴボウと一緒にいただくと、食感だけでなく味に複雑味がプラスされます。甘いのが苦手な方も楽しめますよ。
飲み物は美味しい台湾茶があるといことで、そちらを。柔らかな味わいはこのデザートとよく合います。コーヒーもさっぱりしたもので、デザートを引き立ててました。
食後のプチマドレーヌも。
1年ぶりにいただくお料理とペアリングは、余分なものが削ぎ落とされて、より美味しさの本質を追求していたように思えます。シェフやソムリエ、スタッフの方のコミュニケーションも心地よいです。
やっぱりここは楽しいお店。今度は半年後くらいに再訪したいです。