フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
シュッド・ウエストワインをいただけるお店をリサーチしていて、必ずと言って出てくるのがこちらの「コム ア ラ メゾン」。フランス南西部の郷土料理とワインのお店と聞いており、お伺いするタイミングを逃しておりました。先日、やっと2軒目でお伺いすることができました。
すでに食事をいただいた後なので、お料理は軽めに。最初は「ビゴール豚の生ハム」。ビゴール豚といえば、フランス南西部のピレネー山脈で育てられている黒豚。ツヤツヤで旨味が凝縮された生ハムはワインにピッタリ。
ワインリストをみると、すべて「シュッド・ウエストワイン」。さすがの一言。その中から白の「サンモン ランブラント」を。ぶどう品種はこのエリアの土着品種、グロマンサン、プティ・マンサン、プティ・クルビュ。オレンジの皮やドライフルーツを感じさせる複雑性のある香りで、深みのある辛口。ミネラル感豊かな長い余韻が楽しいワイン。去年現地でいただいたのが走馬灯のようよみがえってきました。(笑)
そして「田舎風パテ」。丁寧に作られているパテはジューシーで肉厚。基本的なものがしっかり美味しいのはいいお店の証拠。
「バスク風白身魚のすり身の赤ピーマン詰めトマトソース」。バスク風の特徴であるピーマンとトマトを使ったお料理で、本来は干したらを使うのですがこちらでは生のタラを使用しています。シュッド・ウエストの白ワインと合わせるとまさに現地の味!
「ガスコーニュ風トリップ」。イタリアのものとは違い、ガスコーニュの白ワインとお塩で煮込まれているんです。具材もシンプルでジャガイモと人参、そして内蔵系からでる臭みのない旨味が凝縮している。これも美味しい!
すでに2軒目だったので、食後のワインに。日本ではほとんど見かけない「フロック・ド・ガスコーニュ」があるではないですか!アルマニャックを作るエリアのワインで白ぶどうの果汁にアルマニャックをブレンドして寝かせたもの。現地では食前酒に炭酸で割ったり、食後にお菓子と合わせていただいていました。
デザートは2種類。「フロマージュブラン 栗の木のはちみつがけ」。透明度の高いクリアなフロマージュブランにシンプルに蜂蜜をかけて!素材そのものを生かすそんなデザート。
そしてこちらはフランス南西部ランドに伝わる素朴な郷土菓子「細かいトウモロコシ粉で作った焼き菓子『ミヤソン』とキャラメルアイス」。ねっとりした生地の表面にはカラメリーゼ。付け合わせのアイスとともにいただきます。デザートまで本場フランス南西地方の雰囲気で大感激!
店内は16席のみとかなり小さいのですが、お客さんで満席。人気の高さがうかがえますね。ふと壁をみるとサンモンの黒いベレー帽があったり、店員さんがサンモンのエプロンをつけていたりと、シュッド・ウエストワイン、そして南西地方が大好きなんだなあというのが伝わってきました。
素朴ながらも丁寧でこだわりのあるお料理は現地のフランスより美味しいかも。赤坂にいながら、ここでは本場の味が楽しめる!そんな素敵なお店でした。今度は1軒目でお伺いします!