フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
年末に向けて、宴会や接待向けのお店をよく聞かれるようになってきました。特に接待は空間と料理のバランスが大切。高級すぎても緊張するし、かといってカジュアルすぎても場違いになってしまうし。そんなことをいっていたら、接待にもぴったりでお肉がおいしいというお店が西麻布にあるときき、偵察もかねてお伺いしてきました!
店内はすべて個室になっていて、とても清潔感があり明るく上品な空間が広がっています。
お料理は単品もありますが、コースも充実。8,000円から20,000円まで幅広くありました。その中から「赤身焼肉膳コース 12,000円」をいただくことに。何がでてくるか楽しみです。
最初は生ビール「サントリー マスターズ・ドリーム 800円」で乾杯!
先付けは「丹波産「ほっこりむすめ」かぼちゃの温製すりながし」。ほんのり甘くて名前の通りほっこりする味。
生野菜の「長野高原野菜のムンチュサラダ」。さっぱりシャキシャキです。
お肉のお刺身がでてきました。「カメノコ(赤身の塩味)、友三角(霜降りの特製醤油だれ)の肉刺と霜降りユッケ」の3種類。お肉の個性に合わせての味付けされており、どれも美味。生肉が美味しいというのは、肉のクオリティがしっかりしているからですよね。
「スノーエイジング(30日熟成)の厚切りタン塩、レモンを絞って」。見るからにきれいなタン塩をお店の方が焼いてくれます。旨味がぎゅっと凝縮しており、味わいがしっかりしています。
そしてこちらのスペシャリテといっても過言ではない「尾崎牛「くり」のけんしろう焼き 低温調理、桜チップスのスモーク」。低温調理でじっくり火入れをされたお肉に桜チップでスモークの香りをつけて、目の前でオープン!焼肉屋さんでこの手法を使っているのを初めてみました。こういう演出、たまりませんね。
低温調理らしく、赤身がかなりレアでありつつ、旨味が凝縮されており、その上スモークの香りがまたいい。
この日のお酒はワインではなく、日本酒を合わせることに。ソムリエさんがいらっしゃるので、ワインのセンスもいいのですが、日本酒も面白いのがそろっていました。「栄光冨士 純米吟醸 無濾過生原酒 秋酒」は出羽の里100%とちょっと珍しい純米吟醸無濾過生原酒。華やかな香りと濃い味わいでしっかりとした旨口タイプ。お肉に負けずにマリアージュを楽しむことができます。
月の30頭しか出荷されない「幻の尾崎牛」を堪能。「うわみすじ(ウデ肉、特に赤みが強い部位)を特製泡醤油で&ササミバラ(バラ系の中ではさっぱりとした味わい)を柚子胡椒と合わせて」。さらっとした脂に上品な旨味が広がります。
箸休めに「きのこ(しめじ、えのき、なめこ、まいたけ)の酢の物」が出てきました。お料理の緩急もなかなかセンスがいい。
そして温かい肉料理「尾崎牛のバラ肉と焼き豆腐の炊きもの」も出てきました。ここにも尾崎牛が!ほっこりとしたお出汁にお肉の脂の旨味が溶け込んでおり、味に深みが増している感じ。
ここで焼き物がでてきました。「和牛ハラミ、さっぱりとした醤油だれで&友三角オリジナル白醤油のタレで」。ハラミのサシの美しさ、友三角の脂身がたまりません。
そして焼き上がったハラミ。もちろん店員さんが焼いてくれるので、ベストな状態でいただくことができます。赤身のうまさとジューシーさがたまりません。
「黒毛和牛サーロインの焼きすき、こだわりの玉子をたっぷりつけて」。さっと軽く炙っていただき、栃木県産のきれいな卵でいただきます。とろけるお肉と濃厚卵の贅沢なハーモニー。とっても贅沢なメインにふさわしいお肉と食べ方ですね!
ご飯ものは「丹波産の特別米で炊き上げた、きのこの炊き込みご飯」。お米は特別に仕入れたものとのことで、白米でも美味しいとのこと。丹波の栗も合わせての秋を感じる炊き込みご飯でした。
デザートは和洋折衷な「エスプレッソのアイスクリームとたい焼き」。小さなかわいいたい焼きに大人味のエスプレッソアイス。遊び心ある演出がニクイですね。
こちらのお店、焼肉屋さんというよりは新しいスタイルの肉割烹といったほうがしっくりきます。お肉を美味しくいただけるよう工夫されたコースに、焼き物は目の前で店員さんが対応、そしてソムリエが厳選されたお酒も選んでくれる。
個室の雰囲気も固すぎずカジュアルすぎず丁度いい感じが接待にもぴったり。丁度探していたお店のスタイルを見つけた感じ。肉激戦区の西麻布にまた注目のお店ができたようですね。
夜総合点★★★★☆ 4.0