フードメディアディレクターの福田美佐子です。
四谷三丁目エリアはどうしても日本酒や和食の印象が強いのですが、実はワインでおすすめのお店があるときき、友人の仕切りでお伺いしました。表向きは焼き鳥やさんですが実は秘密の4席のみカウンター席があり、そこではイタリアンをベースとした創作料理とワインのペアリングが楽しめるのです。ということで、カウンター貸し切りの女子会のスタートです。
お店の階段をあがると通常のテーブル席があるのですが、カウンターは見当たらず。予約を伝えるとカウンター席に案内してくれました。こんなところに隠れ空間があるのかといった印象。
お料理は6品ほどのコース料理で、料理に合わせて1杯ずつワインをセレクトしてくれるとのこと。最初に苦手な食材をお伝えしてしておくと、その場でアレンジしてくださるみたい。ということで、最初は「Fongaro Gran Cuvee BRUT」で乾杯!イタリアヴェネト州のスプマンテで、葡萄はドゥレッラ85%、シャルドネ15%。上品な泡立ちにシトラスのニュアンスもあり、爽快感とボリューム感の一体感が心地いい。
まずは西洋風茶碗蒸し「鶏ロワイヤル」。小川フェニックスという元気な卵と鶏のお出汁、そしてトリュフで香りをつけたスペシャルなアミューズ。卵がしっかりとした味でかなりびっくり。
続いてのワインも白の微発砲で「Oltrepo Pavese Riesling Frizzante Le Zolle 2012」。イタリア・ロンバルディア州のもので、葡萄はリースリング・イタリコ 100%。細やかなガスにドライでシャープな味わいながらも、果実味も感じられますね。
そんな爽やかなワインに合わせていただいたのが、「赤肉メロンのソルベ生ハム添え」。一手間加えたシャーベットにこれまた火を入れてパリッとさせた生ハムの塩味と食感が絶妙。
どんどんワインとお料理がでてきます。今度はエミリア・ロマーニャ州 Giovannini社の「Ops Chardonnay」。名前の通り、シャルドネ100%。軽やかでで酸とミネラルのバランスがきれいな味わい。
穏やかなワインに合わせていただいたのが、「江戸前穴子とリゾット」。急に和テイストにワインと思いきや、これが合うんです。ふんわりと蒸し焼きにされた穴子に山わさびのぴりっとした風味が楽しい一皿。
ワイン好きに限定するカウンターだけあって、ワインはすごく楽しい。次は何がでてくるかなと思ったら、フリウリのオレンジワイン「CONTELUCIO Pinot Grigio Venezia Giulia IGT 2009」が出てきました。名前にある「ラマート Ramato」とは「銅色」という意味で、銅色ワインともいわれているみたい。キャラメルやハチミツなどの甘い香りに、口当たりは柔らかくとっても旨味がぎゅっとしている。単体でいただいてもとっても楽しめるワイン。
そんな個性的なワインには「茄子と鶏のラグー」。パリット焼いたパルミジャーノの食感とラグーのまろやかさ、そして旬の茄子の組み合わせは鉄板。旨味ワインに負けずにマリアージュしてくれます。
今度はピエモンテのワイン「Dei Gallina Moscato d’Asti」がでてきました。一口飲んでみると、ぶどうジュースのような甘さに、白い花のようなエレガントな香りで品のいい甘口ワイン。葡萄はモスカテル・デ・グラーノ・メヌード100%。
甘いワインに合わせたのは「フォアグラと海老のスペシャリテ」。甘いタレでポワレしたフォアグラに、生、焼き、揚げと3種類の変化が味わえる海老の組み合わせ。フォアグラと海老をパリっと揚げたものと一緒に合わせたものが一番好みでした。飲んべえにとって、ワインはちょっと甘すぎるかな。
ワインはかわいいラベルのロゼがでてきました。トスカーナの「Toscana Rosato Rosa al Melo」。葡萄はサンジョヴェーゼ主体で少量のシラーとメルロー。見た目は可愛らしいのですが、フレッシュでドライななかにもしっかりとした骨格も感じられます。
もうそろそろお腹がいっぱいと思ったら「黄ニラと鶏肉、青唐辛子のパスタ」がでてきました。そんなに辛くないよといいつつも、青唐辛子がピリリときいており、レモンで爽やかにまとめていました。
そしてこの日初めての赤で「Chianti Colli Senesi 2012」。葡萄はサンジョヴェーゼ90%、カナイオーロ・ネロ5%、トッレビアーノ&マルバシア・ビアンカ5%。とにかくおだやかで丸みを帯びた酸味と品のいい渋みで、飲み口がいい。
もうお腹いっぱいだなと思っていたら最後に「牛肉の煮込み料理」が。胡椒が強めにきいており、シェフにおうかがいしたところ、どちらかの郷土料理とおっしゃっていました。(詳しくは覚えておらず。)
グラッパもでてきました。「Marsala Fine Semisecco NV」。シチリアの老舗がつくるマルサラのようで、ドライフルーツやバニラの香りにまろやかな口当たりが抜群の安定感を感じます。
デザートは小川フェニックスを使ったなめらかプリン。実は今週誕生日だったので、友人たちがお店の方にこっそり伝えてバースディプレートに仕上げていただきました。卵自体のコクで生クリームが入っているような味わいになっています。このプリンは好み!
ちなみに特別感のあるこのカウンターの席料はとっていないらしいのですが、基本的に「ワインをいっぱいのむ」方限定のとのことでした。とはいいつつお会計はお料理とワインで合わせて8000円ちょい。カウンターを貸し切って、これだけの種類のワインをいただけるとなると逆に飲む人にとってはお得ですね。カジュアルな雰囲気なので、まわりを気にせず気兼ねなく飲みたい女子会などにおすすめかも!
最後にいただいたプリン、私が「好み!」と連呼していたので、友人たちが誕生日プレゼント代わりにお土産で買ってくれました。お家でも存分に楽しませていただきましたよ。