フードメディアディレクターの福田美佐子です。
このごろ「オトナ女子グルメ」というコンセプトでお店を紹介しているせいか、食べ友のみなさんからも「(私が)好きそうなお店があるのですが、ご一緒にどうですか?」というありがたいお誘いが多くなりました。そんなお誘いの1つが泉岳寺にある「瀧口」。なかなかお伺いしないエリアということで、とても楽しみにしておりました。
お店は泉岳寺駅A2出口から徒歩数分。シックな入り口がちょっとオトナの隠れ家を想像させます。
店内に入ると細長いつくりで、入り口近くに個室のテーブル席、奥が長いカウンター席になっています。4人でお伺いしたのですが、こういうお店はカウンターの方がいいよね、ということでカウンター席にすわり、お食事スタートです!
まずはスパークリングで乾杯。ちなみにこちらのお店はすべてカルフォルニアワインでそろえているそう。お店の方からおすすめいただいたのが「Pour La Vie Sparkling Wine Grand Cuvee シャルドネ100%」。現地でもワイナリーのテースティングルームでしか入手できなかったレアワインとのことで、フレッシュでふくよかなスパークリング。1杯目からセンスが光ります!
お料理はコースのみでフルコース4800円とハーフコース3500円の2種類。この日は「季節のフルコース料理 4800円」を注文することに。
まず最初にでてきたのが「前菜盛り合わせ(BENTOスタイル)」。桜の花をのせたわっぱ弁当のふたをあけると、6種類の小鉢が!こういう演出は嬉しいですね。この中で一番好みだったのが、ささみの湯引きを白トリュフのお塩で味つけした一品。鶏の美味さとトリュフの風味が何とも香り高くていい感じ。
かわいい前菜達の後は「清湯スープ 琥珀コンソメスープ」。ほっこりと鶏のスープを楽しみます。
次のお料理に合わせてワインは白に。「Nakai Vineyard Sauvignon Blanc Russian River Valley ソーヴィニョンブラン100%」。
日本人の中井さんが手がける素晴らしいワイン。青々しさの中にも白い花のようはハーブやミネラル感があふれ、飲み心地がとてもいい。
「白レバーのパテ ブリオッシュを添えて」。甘めのブリオッシュに白レバーのまったりとしたコクとふんわりとした口溶けがすごくいい。
「季節の焼き野菜 2種類のアスパラガス オランデーズソース」。シンプルにアスパラの甘みと食感が楽しめます。これは先ほどの中井さんのワインにぴたっと合いますね。
口直しは「たくわん入りの鬼おろし」。シャキシャキの食感でさっぱりと。
ワインは次のお料理に合わせて「Smith-Madrone Chardonnay Napa Valley シャルドネ100%」。
グラスに注いだ瞬間から樽香の素晴らしい香りが広がったので、少し重いのかと思いきや、すごく丸みがあり軽快な味わいなのです。もう、これは旨過ぎです。
お料理はやっと焼き鳥屋さんらしく、串ものが出てきました(笑)。「砂肝とせせりの串焼き」。かなり小ぶりで女性にとっては食べやすいサイズ。砂肝は臭みがなく、ぎゅっと旨味が楽しめます。せせりは柚子胡椒でピリリといただきました。
そして「季節の茶碗蒸し 菜の花とほたるいか」。ほっこり温かい茶碗蒸しに菜の花とほたるいかが春の香りを運んでくれます。先ほどの樽香のワインとの相性が抜群ですね。
このあと、お肉が続くということでワインは赤に。「Maboroshi Pinot Noir Maboroshi vineyard Russian River Valley ピノ・ノワール100%」。
こちらも日本人の私市さんが手がけるワイン。フランスで修行していた際に「幻みたいな話」といわれたことが残っていて、カルフォルニアで再挑戦して初めて作ったメルローのワインに「まぼろし」と名付けたとのこと。その後、カルフォルニアでは難しいといわれたピノ・ノワールも作った際にやはり「まぼろし」と名付けたそう。ビオディナミで育てた葡萄は生産数も限られており、まさに「幻」。果実の濃縮度が高く、上品で余韻が心地よい味わい。素敵過ぎてたまらないです!
「自家製つくねと比内地鶏のレバー クミン風味のリヨネーズ添え」。こちらもサイズは小ぶり、ですが鶏肉の美味さは抜群!ワインとのマリアージュもうっとりするほどです。
再び、箸休め。「クレソンと生ハムのサラダ」。ここでお野菜がでてくるのはちょっとほっとしますね。
最後のフォアグラに合わせて出していただいたのが「Highlands Zinfandel Napa Valley ジンファンデル100%」。
きれいなアロマにほんのりとした樽香、しなやかなタンニンがとにかくお肉と合わせたくなるような力強いワイン。ジンファンデルって初めてかもと思って調べたら、イタリアのプリミティーヴォと同じなんですね。ワインは作られる土地によって変わるといわれますが、なんだかアメリカらしく仕上がっている気がします。
そしてメインの「フランス産鴨とフォアグラ 芽ねぎ添え」。濃厚なフォアグラに力強い赤ワインがぴたっとはまり、素敵なマリアージュ。
そして「ねぎまと鶏皮をタレ焼きで」。そうそう、こちらは焼き鳥やさんでしたね(笑)。タレの焼き鳥は本当に品よく、タレがソースに見えてきました。
最後の〆は「土鍋釜炊きご飯 佐渡島産コシヒカリ 南部鶏卵のトリュフ玉子かけ」。白米がピカピカでそのままいただいても美味しいのですが、贅沢にトリュフ玉子かけご飯に。うーん、幸せです。
食後にどうしても甘いものがいただきたくなり、お店の方にお願いしたところ洋梨タルトとソルベを盛り合わせてくださいました。見た目も華やかで、最後までセンスがいいですね。
こちらのお店はモダンで落ち着いた雰囲気が、オトナのデートや接待にもピッタリだと思います。コースのお値段はお手頃で、お料理はちょこちょこといろいろ頂けるスタイルがうれしい。そして何と言ってもカルフォルニアワインのマリアージュにしびれました。カルフォルニアワインって飲む機会がないのですが、こちらはセンスよくお料理に合わせてワインを選んでいただけるので、安心してお任せすることができました。
ほんとにココは自分の好みにぴたっとはまりました!さすが持つべきものは食の好みを分かってくれる友人。また素敵なマリアージュを楽しみにお伺いしたいです。