フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
以前からずっとお伺いしたかった「鈴しろ」さん。今回は日本酒好きな友人に連れてきてもらいました。こちらビブグルマンもとっていらっしゃるんですよね。
カウンターのみの小さなお店で、若い大将がカウンター越しにニコニコされて、人柄の良さが伝わってきます。
最初は「王録」で乾杯。日本酒好きな方と一緒のときは、最初にビールも飲まずに日本酒からスタートしちゃいます。
お料理はお任せコース、日本酒はオススメでいろいろといただきました。料理名はあまり覚えていないので、ざっくりと。
「小松菜と揚げの煮びたし」
最初はこちらのお出汁をシンプルに楽しめる一品。お野菜に染み込んで優しいお味。
「ウニと生牡蠣のそうめん」
ウニと生牡蠣の組み合わせがびっくりのお椀。旨味の相乗効果が日本酒を誘う味です。
「澤の花 花あかり 純米吟醸」を口開けで。
メロンやマスカットの甘いかわいい香りと、フレッシュな酸が春らしい華やかさを感じます。
「ハマグリの潮汁」
大きなハマグリの食べ応えとお出汁の旨さが体に染み渡る、汁椀。
「ホタルイカとウニのリゾット」かな。
ちょっと洋風を感じる味付けなのですが、ホタルイカの旨味とウニの甘みがご飯とうまく絡み合い、これまた日本酒が飲みたくなります。
「田中六五 糸島産山田錦純米」
爽やかな香りに米の旨みがぎゅっとしており、酸もしっかり。お料理にとても合わせやすい食中酒。
「お刺身の盛り合わせ」はさより、いか、ホタテ、真鯛。
どれも新鮮でピカピカ、味ももちろん美味しい。
焼き物といって出してくださったのがこちら。鱗付きの鯛の皮目をパリりと焼いて生海苔の入ったお出汁に入れたもの。フレンチのような焼き方にお出汁のマリアージュ。いいですね。
「えび真丈のガダイフ揚げ」
こちらも和食ではあまり見かけないガダイフを衣にえび真丈を揚げたもの。サクサクの衣が気持ちいい、食感も味も美味しい揚げ物。
「旭菊 大地 特別純米」
福岡のお酒だそう。米の旨みが前面に、酸は控えめのバランスのいい味わい。芯があるのでお肉にも合いそう。
お肉料理は豚肉をグリルして、優しいミルクソースを合わせたもの。こちらも和食というより洋風なスタイル。ですが、ソースにはお出汁が使われており、どこか日本酒にも合う心地よい味。
ぬる燗のお酒が飲みたいとリクエストしたら、こちらを出してくれました。
「醸し人九平次 純米大吟醸 火と月の間に」
九平次のお燗で飲む用のお酒とのこと。ぬる燗でいただきましたが、酸味に丸みが出て、凝縮された甘味や旨味がすっと身体に染み込んでいくよう。
そんなぬる燗に合わせたのが、こちらのスペシャリテの「おでん」。透明なお出汁に美しい大根やつみれや卵が鎮座しています。とにかくこのお出汁が心地よい味なんです。
「悦 凱陣 純米酒」
今度は香川のお酒をこの後に出てくる土鍋ご飯に合わせて。すっきりした香りと、まろやかな旨みが芯があるお酒です。
土鍋ご飯は2種類あったので、両方いただきました。
まずは「ホタルイカとそらまめ」。見た目が春らしい土鍋ご飯。ホタルイカの旨味とソラマメのホクホク感がたまりません。
取り分けてもらい、お味噌汁と共にいただきました。
2つ目は「真鯛とタケノコ」。こちらはお頭がインパクトのある土鍋ご飯。角切りのたけのこに山椒の香りがたまりません。
鯛の身をほぐしてもらい、盛り付けてもらいました。こちらはちょっとだけいただき、おにぎりにして持ち帰りました。
どのお料理も日本酒との合わせをイメージして、一工夫されておりセンスがいい。その上、上品なお出汁が優しくお料理を包み込んで、日本酒が自然に美味しく進んでしまうんです。
お料理を作ってくれた大将も人柄がよく素敵でしたが、お酒をサーブしてくれた女性も本当に日本酒好きが伝わってきて、心地よく食事ができました。
ここは日本酒好きならば何度も足を運びたくなりますね!
日本酒好きな方にオススメしたいお店です。