フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
以前から漠然とお伺いしてみたいなあと思っていた、中野坂上の「らすとらあだ」。友人が予約が取れるということで、ジョインさせてもらいました。
お店は住宅街の中にある普通の民家。外からみたらお店というのがちょっと分からないくらい。店内も友人のお家に来たような雰囲気でゆったりできます。
お料理は基本お任せとのこと、日本酒に合うものばかりとのことで、ビールスキップで日本酒から。まずはぐい飲みを選ばせてもらいます。
最初は飲み口のよいタイプで選んでもらいました。「残草蓬莱 純吟 Queeen 槽場直詰生原酒」。低アルコールな12%、きれいな酒質で飲み口は軽やか、甘酸っぱい酸味と柑橘系な酸が爽やか。休日のランチにぴったり。
お料理はゆっくりと出てきます。「はぐら瓜の漬物」。シャキシャキ食感が残った瓜は、シンプルに素材の味が楽しめます。
「スダチ味噌」。お味噌はお酒を飲む前提ですね。爽やなすだちの風味が甘めの味噌とあいなって、ちょうどいいアテに。
そして「トマトの煮こごり」。甘いトマトで作っているようでデザートのよう。
「トウモロコシのすり流し」。生のピュアホワイトを使っているので、ダイレクトにトウモロコシの甘さと旨味が楽しめるお椀。
「焼きなすのジュレ」。ほんのり香ばしい香りが残った焼きなすを丁寧にほぐしており、優しいお出汁でまとめています。
日本酒は2本目「日置桜 山根醸純米吟醸無濾過生原酒」。温度が低いと壮快でありつつも心地よい米の旨味。ちょっと温度が上がると芳醇さや甘さも感じられ、食中酒にピッタリな感じ。
「紅サツマイモとセロリ」。甘い紅サツマイモにシャキシャキなセロリをあえたもの。お芋の甘さとお漬け物の食感と塩味がお酒に合いますね。
「鶏団子のお椀」。今度は優しいお出汁にふんわりとした鶏団子、どんこときくらげという組み合わせ。お腹が暖かくなってホットします。
こちらは友人がリクエストした「だし巻き玉子」。やはり優しいお出汁にふわふわな焼き上がりで、とにかく優しい。卵焼きが口の中で溶ける感じがたまりません。
新聞紙で包装されている「長珍 播州夢錦7-60 純米生原酒」。見た目の印象もさることながら、とても上品で旨口な味わいは最高。芳醇さの中にも酸やキレがあり、味のバランスも最高。時間が経つにつれて味も変化し、じっくりゆっくり飲むのにピッタリ。
「そばがき」。実はそばがきってあまり美味しいと感じたことは無いのですが、こちらのはふわふわで蕎麦の風味を優しく楽しめる味わい。優しい穏やかなそばがき。
蕎麦は3種いただきました。その日によってそばの産地も挽き方も変わるそう。まずは福井産×福島産の蕎麦をつかった細いタイプ。最初は蕎麦だけを味わい、その後そばつゆに入れてつるっと頂きます。
香り高い蕎麦が鼻を抜ける感じでいい!
埼玉三芳産の蕎麦は平打ちタイプで。こちらは食べ応えのあるタイプで噛み締めるごとにじんわり味が広がってきます。
山形産の蕎麦はちょい太め。コシがしっかり目でガツンと蕎麦の風味が楽しめます。
〆は夏野菜をつかった冷やし蕎麦。ヤングコーンや瓜、パプリカなどの食感と優しいお出汁のあんかけで喉越しがよく、爽やかにいただけました。
お料理はゆっくりと出てくるので、食べ終わるまで3時間ほどかかります。やっぱりココは日本酒好きじゃないと難しいかな。ゆったりと急がずに日本酒と蕎麦を堪能したい方におすすめです。