フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
幡ヶ谷ってなにげにいいお店が多いのですが、日本酒とおつまみがいい感じで、ひとりでもふらりといけて、おじさんに占領されていないところ、というのがなかなか無くて困っておりました。ちょっと諦めかけていたところ、偶然こちらのお店の記事を見つけて「これは!」と思い、近所のお友達と訪問してきました。
場所は「鳥伊那」や「萬月」がある路地にあるビルの2F。1Fに看板などは特にないので、知っていないと入れないと思います。
店内はカウンターがメインなのですが、入り口近くにはテーブル席も。6人くらいなら団体でも入れそうですが、基本的にはカウンターで1人や2人くらいがピッタリくるかもしれません。
カウンターで友人を待ちつつ、ビールとお通しで先につまみはじめました。とにかくここは酒飲みにぐっとくる「つまみ」の品揃えが充実、その上丁寧で安い!そのラインナップでかなりテンションがあがります。
「セロリのおひたし 450円」。セロリをシンプルにおひたし。優しい味わいにセロリの独特の旨味と香りが広がります。
「鶏ささみの一夜干し 400円」。これは日本酒のアテっぽい。乾燥しすぎず、ささみも旨味をぎゅっと閉じ込めたジャーキースタイル。
「山本(秋田)純米吟醸ピュアブラック 800円」。甘めな香りに清々しい風味、フルーティーなんですが芯のあるお酒。飲み口もいいですね。ラベルのスタイリッシュさもカッコいい。
春はやっぱりホタルイカということで、「ホタルイカと生青のりのポン酢がけ 600円」。青のりとホタルイカの組み合わせがなかなかいい。付け合わせのポン酢と青菜がまた美味しくて、友人の希望で青菜だけ別皿でおかわり。
「能古見(佐賀)純米吟醸 700円」。「のごみ」って読むんですね。メロンやバナナを思わせるまったりとした甘い香りですが、米の旨味もしっかりと味わえる上品なお酒。
「苺とナッツの白和え 600円」。白和えって以外とフルーツと合うんですね。ナッツの香ばしさ、苺の酸味と豆腐の濃厚さが爽やかに融合しています。これはワインにも合うと思います。
「お造り(金目鯛、平目の昆布じめ、しめ鯖、たこぶつ)」。つまむのに丁度いいボリュームのお造り。どれも美味しかったのですが、しめ鯖の脂ののりがとても良かったです。友人は蛸が気に入っておりました。
春っぽく「菜の花の豚巻き焼き 650円」も。ジューシーさが残るお肉の旨味を中の菜の花がぐっと受け止めており、火入れもいい感じなんです。オーブンで仕上げているとのとで、一手間が美味しさにつながっています。
メニューにある「秋鹿」は品切れとのことで、「秋鹿 純米 山廃 無濾過原酒(大阪)」を出してくださいました。重めなのかなと思いきや、お米の旨味と甘さとキレの良さ。香りや酸もきれいで、しっかりつつもバランスがいい!美味しい。
こちらも春の食材「たらの芽とふきのとうの天ぷら 700円」。ふきのとうの苦みがまたオトナの味。
箸休め的にすごく気になっていた「生かぶ 200円」。生のかぶがシンプルに。でもこういうのは嬉しいんですよね。
そしてこちらは友人が気になっていた「ゆで卵の塩麹漬け 150円」。これもシンプルに塩麹に1日つけただけとのことでしたが、つまみにちょうどいい。家で真似しようかな。
「墨廼江(宮城)特別純米 中汲み」。すごく爽やかでみずみずしく、クリアな旨味。中汲みのよさが伝わるお酒。
〆は「鶏ぞうすい 600円」。鶏の旨味と優しい味わいで、飲んだ後にはピッタリ。
合わせて「漬け物盛り 350円」も注文。これでまたお酒が飲めちゃいます。
ということで最後は「沢屋まつもと(京都)守破離 雄町純米吟醸 」。守破離の桜ラベルは初めて。すごいフルーティーで甘めなイメージがありましたが、今期の新酒から香り、甘み、アルコール感をより抑えて、酸味・旨み・良い苦味を主体としているそう。確かに酸と旨味が美味しくなっている。単品で飲んでも美味しいのですが、よりお料理にも合わせやすくなったと思います。
近所であることと、飲めるお友達と一緒だったということで、かなり色々頼みました。お料理はどれも小粋で、日本酒に合わせやすく、味のバランスもいい。サイズ感もいいですし、その上お手頃というのも嬉しい限り。オープンしてから1年半くらいとのことでしたので、今まで気づかなかったのが悔やまれます。
酒飲みにぐっとくる「つまみ」の品揃えが充実な小粋な飲み屋さん。ここはひとりでも通います!