フードメディアディレクターの福田美佐子です。
恵比寿で打ち合わせの後、ワインと焼き鳥をオシャレにいただけるお店があるということで連れてきていただきました。場所は恵比寿神社のすぐ近くのビル、こんなところにあるんだと思いつつ入ると、カウンターのみのシックな雰囲気ではないですか。焼き鳥屋さんというより、ちょっとオシャレなワインバーといった感じでしょうか。
一杯目は微発砲の「タケダワイナリー サン・スフル 850円」で。完熟デラウェア種100%で、無添加、無濾過のため、ぶどう由来のにごりや澱がいい風味を出しています。優しい泡にクリアで旨味のある味わいがいいんです。
がっつりコースという気分ではなかったので、ちょいちょいお料理をつまむことに。まずは「オリーブの実とセミドライトマトのマリネ 580円」。ドライトマトの甘さとオリーブの塩味のコントラストがワインにあいます。
そしてお野菜がメインということで、サラダ代わりに「元気野菜のテリーヌ 1200円」を。オクラやヤングコーン、ブロッコリー、パプリカなどの野菜たちをキャベツでくるっとまとめており、爽やかな色合いにまさに元気が出そうなテリーヌ。お野菜のシャキシャキとした食感もまたたまりません。
続いてのワインは、オーストラリア「ストニアー・シャルドネ 1300円」。シャルドネ100%、上品な辛口でハーブ、レモン、ライムのようなさわやかさに、クリアな酸の余韻。すーっと身体になじむようなキレイなワインですね。
焼き鳥さんなので、串ものも頂かないと。まずは「さび焼き 280円」。レアな火加減にささみに昆布の旨味がからまって、かなり秀逸。これは好き。
そして「せせり 260円」。鶏のネックですね、程よい弾力性に鶏の旨味がぎゅっと詰まっている感じ。
「自家製白レバームース 980円」も出てきました。レバームースはお店によって美味しさが分かれるところですが、こちらのレバームースはすごくふんわりしていて生クリームのような食感に、臭みのないレバーのコク、そして甘めの味づけがデザートのよう。これはかなりレベルが高いというか、新鮮なレバーで作られている印象でした。
「マルセル・ラピエール・ボジョレー・シャトー・カンボン 1000円」。ガメイ100%のフランス自然派ワイン。ピュアで果実味がたっぷりでジューシーな味わい。とってもバランス良く、素朴ながらも洗練されています。焼き鳥やお野菜にも合いますし、これは誰でも美味しくいただけそうなワイン。
今度は野菜串に。「金針菜 280円」。金針菜ってユリのつぼみとのこと。中華でいただいたことがあるような気がしますが、シャキシャキとした食感がシンプルに美味。
そして「ぎんなん 280円」。そろそろ秋なので出てくるころかな。串焼きにしたぎんなんってどうしてこんなにお酒に合うんでしょうね(笑)
「かしわ 290円」は鶏本来の旨味と弾力を味わえる1本。こちらの鶏たちは、本当に美味だと思います。
そしてワインもすすみます。「ビトウィーン・ファイブ・ベルズ・JPN 1000円」オーストラリアのワイン。シラーズが80%のベースとなり、ネロダヴォラ5%・ネッビオーロ5%・ピノ ムニエ4%・リースリング2%・シャルドネ2%の複雑なセパージュ。日本仕様のワインとのことで、シルキーな味わいなのにすごく飲みやすい。タレものなどにも合いそう。
そんなことを思っていたら、ちょうどたれの「特上レバー 380円」が出てきました。レバームースも美味しかったので期待しながらいただくと、とろけるようなレバーに甘辛いタレが絡み付き、びっくりするくらいのフレッシュさ。近頃食べたレバーで一番美味しい。
〆はせっかくなので「親子丼(並)1,070円」を2人でシェア。ちょっと味が濃いめでしたが、味がしっかりした卵と弾力のある鶏で最後までしっかり楽しみました。
この日はワインをいただきつつ、お料理と串ものをつまんで1人9000円弱。ワインバーのような雰囲気ですが、お料理もしっかりいただけるし、そして気軽にマリアージュが楽しめるのはさすが恵比寿のお店というところでしょうか。
だた1つだけ難点をいわせていただくと、カウンターとはいえサービスの方が1人のみ。満席になったときに、とても忙しそうにされていてサービスにちょっと余裕がなかったのが残念。もう1人サービスの方がいらっしゃるといいですね。オープンしたてとのことだったので、ちょうど人が足りなかったのかも。
その辺を引いても、お料理とワインはセンスがよいので、ちょっとオシャレにオトナたちが集まりたいときにおすすめですね。