フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
以前から気になっていたこちらのイタリアン。友人との会食でお伺いしました。店内は明るく広々しており、居心地がいいですね。恵比寿でもちょっと隠れ家的な場所にあり、とても落ち着いております。ディナーはコースのみとのことでお任せのコースでお願いしました。
乾杯はボトルのスパークリングをいただきましたが、写真の撮り忘れ。ビール代わりにくいくい飲めてしまいます。
アミューズは
ビーツの冷たいズッペッタ
ヨーグルトとパルミジャーノのムースアウボカーサ
ビーツのピンクが可愛らしい、さっぱりと爽やかな味わい。
前菜の3種盛りは
鎌倉野菜のバーニャカウダ
シュー生地に挟んだ新玉ねぎのブランマンジェ、ウニ、コンソメジュレ
フォアグラムース
どれも一口でいただけるフィンガーサイズですが、小さい中にそれぞれの個性が詰め込まれており、センスの良さを感じます。
自家製パンとグリッシーニ。これだけでワインが進みそうです。
本日のペッシェクルーダ
ホワイトアスパラのクレマと魚介のジュレ
見た目に華やかで軽やかな一皿。滑らかなホワイトアスパラのクレマに、魚介のエキスがしっかりときいたジュレと旨味の相乗効果を楽しめます。
2本目のワインはウンブリアのオレンジワイン「Tiberi La Torre Bianco 2014」。
葡萄はマルヴァジーア50%、グレケット、モスカート、トレッビアーノ、サンコロンバーノ。
色味はオレンジというより白ワインのようですが、何も加えることなくシンプルに作られたナチュールワイン。
上品で穏やかなテイストで、葡萄の力だけでこれだけ心地よいワインになるんですね。
次のお料理はワインにも合いそうなお魚料理。
イトヨリの炭火焼き
蕪と蛤のジュ
皮目の焼き目の香ばしさに旨味がぎゅっと詰まったイトヨリの白身、そして蕪とハマグリの旨味が融合したソース。ワインとのマリアージュもバッチリです。
フランス産ホワイトアスパラのパルミジャーノのインパナート
「インパナート」とは〝パン粉づけした〞という意味。今年はよくホワイトアスパラをいただきましたが、インパナートは初めて。ボイルするよりホワイトアスパラの旨味の逃さないので、より味わいを楽しめる印象です。個人的にはすごく好き!
パスタは2種類出てきました。
魚介のカヴァテッリ サルデーニャ産ボッタルガ
プーリア州の名物パスタのカヴァテッリを魚介お出汁やズッキーニと組み合わせ、アクセントにボッタルガを。メリハリのある味わいと食感を楽しめる一皿。
もう一種類のオレンジワインも気になっていたので、グラスでいただきました。
「Vigne di San Lorenzo Gea」
エミリア・ロマーニャのナチュールワイン。葡萄はアルバーナ100%。
華やかな香りと蜜のような甘みに葡萄感もしっかり感じられ、シンプルで力強い味わい。
イタリア産フレッシュポルチーニのタヤリン
実はフレッシュポルチーニが入荷しましたを拝見してお伺いしたくらい、この日のお目当ての一品。手打ちの細めのタヤリンにたっぷりのフレッシュポルチーニ、濃厚なソースともう好みの味わい。もっとお代わりしたいくらいでした。
そしてメインのお肉に合わせて赤もグラスで。
「Vigna Lenuzza Schioppettino di Prepotto」
フリウリのワインで葡萄は土着品種のスキオペッティーノ。スパイス系にカシスやベリー系の果実風味があり、シルキーで滑らかな口当たり。酸のバランスも良く、メルローにちょっとニュアンスが似ているかも。お肉には軽やかに合いそうです。
メインは鴨と鳩から選べたのですが、鳩があまり得意ではないので鴨にしました。
低温でじっくり焼きこんだ鴨の炭火焼き
ゆっくりと火入れされた鴨は赤身の旨味が凝縮され、より濃厚な味わいに。付け合わせのアスパラソバージュは今年初でした。
ドルチェ
クリームチーズタルト キャラメルアイスクリーム
キャラメルの濃厚なアイスとチーズタルトの爽やかさ。スイーツまで味のコントラストとバランスがとてもよかったです。
全体的にセンスがよく、繊細で素材の良さを引き出したお料理たち。そこにオーガニックなワインたちもすごく心地よかったです。他のお客さんたちは落ち着いた大人の方で常連さんも多そう。
カジュアルだけど居心地がよく、通いたくなるイタリアン。女子会やデート、落ち着いた食事会にオススメなお店です。