フードメディアディレクターの福田美佐子です。
2015年7月に中目黒にオープンしたこちらの「オステリア カステリーナ」は神楽坂や湯島の人気店の姉妹店なんですよね。場所は目黒川をこえたちょっと落ちついた雰囲気の場所にありました。
階段を登って店内に入ると細長いカウンターの奥に厨房があり、そして地下には大人数向けのエリアがあってちょっと独特な造り。この日は奥のテーブル席に通していただきました。とりあえず最初はスプマンテで喉を潤します。お通しはスペシャリテの「フォアグラのフラン」、そして3種類のパンたちが出てきました。
最初は「お任せ前菜5種盛り 1400円(一人前)」を注文。大山鶏レバーのクロスティーニ、グリーンオリーブの肉詰めのパン粉揚げ・アンコーナ風、イタリア産ポルチーニ茸と色々キノコのストゥルーデル、甲州ワインビーフのタルタル、etc。いろいろなイタリア郷土料理的なラインアップで、なかなかいいではないですか。
ワインはイタリア全土からのセレクトっぽく、こちらも本格的。グラスでいただけるのは赤白3種類くらいだったので、そのなかからピエモンテの白「Tenuta Olim Bauda I Boschi Chardonnay」をチョイス。シャルドネなのですがとても飲みやすく爽やかな辛口で、どことなくフルーティさも感じる。暑い日にぴったりな白ですね。
前菜たちですでにお腹がいい感じだったのですが、やっぱりお肉はいただかないとということで、ボードのメニューとにらめっこ。種類が多すぎて選ぶのが大変!結局おまかせ肉の盛り合わせにし、鴨をポルケッタに変えてオーダーしました。
プレートにのって出てきたのが「おまかせ肉盛り合わせ3900円」。ポルケッタに仔牛のランプ、黒毛和牛のロース、そしておまけでサルチッチャもつけていただきました!グリルの火入れもばっちりで、仔牛はふんわり脂がうまく、和牛ロースはレアでジューシー、ポルケッタとサルシッチャは本格的な味でこれまた大満足!
お肉に合わせてワインははピエモンテの赤「Le Formiche Vino Rosso Mau」に。ドルチェット70%、メルロー30%だったかな。口当たりは穏やかで重すぎず、お肉を引き立ててくれます。
最後にパスタも!「ボンゴレビアンコ 1300円」。麺は太めでもっちりとしています。ビーゴリだったのかな?ガーリックとアサリの旨味で太麺でもしっかりと味がなじんで、美味。パスタ種類も豊富で本格的な印象だったので、いろいろ食べ比べをしたら楽しいかも。
結局お腹いっぱいといいつつも、ドルチェの「カッサータ」を頼んでしまいました。アイスのような口溶けにリコッタチーズのコク、そしてそこにアルコールの利いたコーヒーのオリジナルソースが味のアクセントとなり、ちょっとオトナ味。コーヒーと一緒にまったりといただきました。
ちなみにこちらのシェフはトスカーナを中心に10年ほど修行をされた方で、店のコンセプトは肉押しとなっていますが、前菜やパスタなどに本格的なイタリア郷土料理のエッセンスも感じられ個人的には好みです。その上、女性店員さんのサービスも心地よく、オープンしたてなのにすでに安定感さえ漂っておりました。
結局カジュアルな居心地のよさに負けて、軽く食事をするつもりが案外がっつりと食事をして一人7000円弱。もしかしたらもう少し大人数で来た方がコスパはいいかもしれません。まだオープンしたばかりということでこれからもう少し変わっていくかもしれませんが、イタリア郷土料理×お肉でがっちり中目黒の方たちの心をつかんでくれそうですね。
オステリア カステリーナ (イタリアン / 中目黒駅、代官山駅、恵比寿駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.7