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『ニッポンローカル見立て帖』
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みたてちょう

ニッポンローカル見立て帖

旅が好きだ。
と言っても、いわゆる絶景やグルメを追いかける旅とは、少し違う。私が旅に出る理由は、もっと個人的で、少しマニアックな好奇心にある。

きっかけは、いつも些細なことだ。
「どうしてこの町には、こんな形の屋根が多いんだろう?」
「このお祭りの、一見ヘンテコな動きには、どんな意味があるの?」
「地元の人には当たり前らしいけど、この習慣、よその人間から見たらめちゃくちゃ面白いぞ…!」

そんな、地元の人にとっては「当たり前」すぎて、もはや風景の一部になっているモノやコト。それらに、旅人である私の目が釘付けになる。そして、勝手にその歴史や意味を調べ始め、自分なりの解釈で、その価値を「見立て」ていく。

「見立て」とは、あるものを、別のものとして見ること。
例えば、道端の石ころを、何万年も旅してきた孤高の旅人に「見立て」るように。軒先の干し柿を、太陽の恵みを一身に受けた宝石に「見立て」るように。

このノート(帖)は、そんな私の個人的な「見立て」を記録し、収集していく、きわめて個人的な探訪記だ。

もしかしたら、地元の人から見れば「何を大袈裟な」と笑われるかもしれない。でも、それでいい。部外者の勝手な「見立て」だからこそ、見えてくる価値がある。当たり前すぎて見過ごされてきたモノが、光を当てた瞬間に、とんでもない「地域の宝物」として輝き出すことがある。

この『見立て帖』が、読んだ人にとって、自分たちの町を新しい視点で見つめ直すきっかけになったら。そして、願わくば、地元の人々が「なんだ、俺たちの町、結構イケてるじゃん」と、少しでも誇りを感じる瞬間に繋がったなら。

そんな下心も抱きつつ、私の勝手な「見立て」の旅は、これからも続いていく。
さあ、一緒に、ニッポンのローカルに眠る、面白くて愛おしい「見立て」を探しに行こう。

見立ての、四段

どの回も、同じ順番で進みます。

  1. 01

    地元の人が通り過ぎるもの

    当たり前すぎて、もう風景の一部になっているモノやコト。住んでいる人は毎日その前を通り過ぎ、旅人は一度見ただけで手放せなくなる。探しているのは町の欠点ではなく、その町をその町にしているものです。

  2. 02

    見立てる

    これは、実は別のあれなのではないか。ここは部外者の勝手な解釈でいい。ただし、私の見立てだと分かるように書きます。

  3. 03

    裏を取る

    記録、郷土史、そこで働く人たち。生き残る見立てもあれば、外れる見立てもある。外れたほうも書きます。

  4. 04

    名前をつける

    その町が、それまで持っていなかった名前を得る。この帖の目的はここにあります。旅ではなく、名前のほう。

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この連載には英語版があります。翻訳ではなく書き直しで、英語の読者には同じ話を支える別の土台が要るからです。 The Mitate Files