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【大人の遠足】プロぐるめ!さんのブロガーイベントでガラスびん工場見学にいってきた!〜工場内潜入編〜@東洋ガラス 川崎工場

さて前回の続きで、実際に工場内に入って見学です。ガラスびんの製造工程は以下の流れに沿って行われます。

<ガラスびんの製造工程>
調合・溶解→成形→徐冷→検査→加工→梱包・出荷

まず最初の工程として、ガラスの溶解について説明いただきました。ガラスを成形するには、まずは材料を調合して溶かすのですが、その温度はなんと1500℃!こちらのお部屋ではそんなガラスの温度管理はもちろんのこと、材料の調合や量、溶かす時間などを監視しています。ちなみにガラスは一度冷やすと温度を上げるのに時間がかかるため、この状態で365日休みなく運転し続けてるとのこと。なお工場の電力は自家発電でまかなっていて、震災後も工場を止めずに運転できたという実績もあるというお話もされていました。

工場内の機械をコントロールするお部屋。年季が違います。@東洋ガラス

やはり工場ってすごいなあと思いつつ、今度は実際に「成形」する工程を見せていただきました。高温のガラスは1150℃まで温度調整をされ、ビン1つ分の大きさにカットされ上から落とすように下にある金型に入れて成形されていきます。それにしても高温のガラスを扱っているだけあって、工場内は熱帯のよう。機材も熱くなっているということで、念のため手には軍手も装着して完全防備でお話を伺います。

説明を真剣に聞いております@東洋ガラス

実際にガラスびんが成形されるところは迫力満点。真っ赤なワインビンたちは次々と成形され、ベルトコンベアに乗せられて移動していました。この日はワインびんを作っていますが、同じ機械でいろいろな種類のビンを作ることができるとのこと。だいたい1種類のビンは2〜3日くらいつくって、次は別の種類をまた2〜3日作るというペースみたいです。

成形されたガラスたち@東洋ガラス

それにしても、まだ温度が高くてもすでにビンの形になっているんですね。崩れないのがちょっと不思議。

自動でどんどん送られていきます@東洋ガラス

できたてのビンは少しすると色が変わってきました。が、ガラスは急激に冷却するとひびが入ったり、割れたりするため、徐々に温度を下げていくとのこと。この工程が「徐冷」です。

成形された瓶を炙っている?@東洋ガラス

ゆっくりと徐冷されたビンが次に向かうのは「検査室」。検査室の入口にはエアーシャワーがあり、ガラスに混入物が入らないよう細心の注意がされております。実はこのお部屋、東洋ガラスさんのノウハウが詰まった企業秘密な場所で基本的には撮影禁止。ですが、今回は特別に許可をいただき可能な範囲での撮影をさせていただきました!

成形をされてゆっくりと冷やされたビンたちが検査室に到着。ベルトコンベアでさまざまなチェックを受けます。異物の混入はもちろんのこと、形、色、などチェック項目は多岐に渡り、チェックに適した機械たちが順番に仕事をしていきます。

検査室にきた瓶はこれでもまだアツアツです。@東洋ガラス

そして検査室の最後の難関が「目視」。そう、人がしっかり見て選別します。普通の人にはわからない傷などが入っているだけで、ラインから除去します。すごく集中するお仕事ということで15分行なったら次の方と交代し、他の仕事を間にいれてまたチェックの作業を15分というように完全にローテーション制。やはり最後は人の目が高品質を保っているんですね。

ちなみにこのチェックを担当するには適性試験があるそうで、合格されるのはほぼ女性とのこと。女性にはかなわないと案内役の方がおっしゃっていました。

検査の最後はやはり人の目@東洋ガラス

検査室を無事に合格したビンたちは、梱包されて倉庫で出荷を待ちます。梱包姿をみると積み重ねられてサランラップみたいなものでガッツリまかれており、数百個単位でパッキングされておりました。このあとに表面に印刷されたり模様を付けられたり加工を行う工程もあるのですが、その加工自体は他の工場でやっているとのことで残念ながらその様子を見ることはできませんでした。

出荷前の瓶は積み上げられて倉庫で保管。@東洋ガラス

今まであまり意識することなく使っていた身近なビンたちですが、見学させていただくことでそのモノづくりには作り手のノウハウと熱い想いがつまっているんだなと実感することができました!

ちなみにビンっていろいろな色がありますが、色を変えるたびに窯のガラスの配合を変えるので気軽には違う色のビンを作ることはしないそうです。海外では年2〜3回くらいしか変えていないらしいのですが、こちらの工場では年30回程度の色替えをして、様々な色のビンを作れるようになっているとのこと。やはり日本の工場ってすごいんですね!

最後にこんなに大事に作られたびんたちですが、使い終わったビンは分別ゴミにきちんとだして是非リサイクルに協力をしましょう。きちんとリサイクルすることで、また新しい製品に生まれ変わって私たちの手元に戻ってきてくれますので。私もまたの再会を思いつつ、これからはお家でワインをいただくことにしますw。

<参考サイト>
ガラスびんができるまで(東洋ガラスサイト内)
http://www.toyo-glass.co.jp/making_process/ 

どんなびんを作っているか知りたい方はこちら。
一般びんカタログ(東洋ガラスサイト内)
http://www.toyo-glass.co.jp/glass/products/