フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
先月まで仕事で通っていたオフィスからほど近い「336 ébisu」。一度仕事帰りにふらりと立ち寄ってワインを楽しんでいたのですが、その際近々フランスで活躍する檜垣シェフを招いてのスペシャルな会をする情報をゲット。これはと思い参加してきました。
檜垣シェフ フェアの詳細
http://336ebisu.favy.jp/notices/46513
ソムリエの山﨑氏と檜垣シェフが「Passage 53」での同僚だったご縁で、去年から毎年開催されているようです。
当日はあいにくの台風で天気も下り坂でしたが、それでもキャンセルは出なかったほど人気。やっぱり楽しみですよね!
ちなみに檜垣シェフの「ランコニュ」ですが、フランスではガストロノミーのコース料理で勝負するイタリアンで人気のお店。ということでコースももちろんイタリアンです。
今回のテーマは「ナポリ」。
ピエロのプルチネッラと味わうナポリ料理のエトセトラ
ランチで9000円のお任せコースとなります。
アミューズ
トマトの赤、モッツァレラの白、バジルの緑のカプレーゼはイタリア国旗の色。
カプレーゼとは「カプリ風の」という意味があるそう。華やか色合いのトマトはとても甘く爽やか。
バゲットとバターはいつもの336 ébisu仕様で。
前菜
揚げナスとチョコレートのミルフィーユをランコニュ風ミルフィーユに変え、夏らしい前菜に
8/15のフェッラゴストという祝日に食べられるお菓子をベースに作られています。ナスは薄くスライスされてお花のような盛り付け、チョコレートのニュアンスはパウダーで表現。
ここのところワインを控えていたのですが、やっぱりこちらにきたら美味しいワイン。
「2014 ルーロ ブルゴーニュ ブラン」
うまいの一言。新鮮な果実香にそれを邪魔しない上品な樽香、ライムやレモンそしてカモミールなどのハーブなニュアンスに塩気も感じられ、豊かな酸と優美なミネラルが心地よい。本当に美味しい!
お魚料理
レストランガイド「ルベイ」から、「2017年の最も優れた魚料理」という賞を受賞した、アクアパッツアを分解した料理。
フライパンの中で水が跳ねる様子をみて名付けられたのが「狂った水」という意味のあるアクアパッツア。透明なお魚の出しに白身のお魚、その上にかぶを花びらのようにスライスし、カラスミがかかっています。クリアで上品で美しいアクアパッツア。
お肉の前には赤ワインも。「2015 D. フーリエ ジュヴレイ V.V」
チェリーやイチゴの果実の香りにバラや梅しそのニュアンス、やわらかい口当たりから穏やかなタンニンと綺麗な酸味にうっとり。
お肉料理
モッツァレラ イン カロッツァというモッツァレアチーズを使った料理がモチーフに。
カロッツァとは馬車の意味。フランス産の牛肉をじっくりグリルし、パリパリに焼いたチーズを添えて、トマトソースとチーズのソースを組み合わせて、味わいに深みを出しています。
パスタ
バジルのジェノベーゼソースとナポリのジェノベーゼソース、2つのソースを組み合わせたパスタ
ナポリのジュノベーゼソースは牛肉と玉ねぎの煮込みのソースとのこと。なので、日本人がイメージする緑のジュノベーゼソースとポロネーぜを組み合わせた感じでしょうか。ジュノベーゼの爽やかさがボロネーゼを軽やかにしてくれます。
デザート
ナポリの下町、ズッパナポリ。あの風景をデザートに。
シェフが名付けたソースの名前の由来は老舗カフェのガンブリニュスから。ここはエスプレッソの発祥地と言われている。雑多なナポリの下町をエスプレッソのソースで掃除をしながらいただくイメージとのこと。チョコレートはプルチネッラのマスクをかたどっています。
軽やかなクリームとタルト生地にエスプレッソと甘み控えめで、大人のデザートです。
食後はもちろん、コーヒーも。心地よいコースでした。
シェフのアイデアでフランスのお店でもやっているとのことですが、すべ手のお料理には1枚づつカードが配られ、お料理の由来などをプルチネッラが説明してくれます。すごく親しみやすく、ナポリに想いを馳せながらお料理を堪能しました。
日本ではかなり貴重な、ランコニュ檜垣シェフの素晴らしいお料理たち。来年も開催されるようでしたら、ぜひまたお伺いしたいと思います!またご縁があればフランスのお店にも行ってみたいですね。