フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
今話題のGEMS恵比寿の7Fにオープンしたフレンチ「レストラン ラ・ルレヴ」。あの遠藤利三郎商店の集大成を体現したお店とのことで、大きな期待をもってお伺いしてきました。
エレベーターを降りてすぐに入り口があるかと思いきや、左の通路を入って中に。ワンクッションあるので、ひと呼吸おいて入れるのがいい感じです。入ってすぐにワインセラーとワイングラスが圧巻で、さすがワインには相当なこだわりを感じます。
夜の料理は 月替わりのおまかせフルコース 全10皿の「Menu La Relève ムニュ ラ・ルレヴ 10000円(税込)」のみ。これにワインペアリング「テロワール Champagne120ml,ワイン5種各75ml 7500円」をつけていただきました。やはりこちらでワインペアリングでマリアージュを楽しむのはマストかと思います。
といういうことで、コースがスタート。最初はもちろんシャンパーニュ「TAITTINGER BRUT RESERVE」で乾杯!安定のエレガントさです。
前菜は「温製アミューズ2種、冷製アミューズ3種」。スガハラガラスさんでオリジナルで作成した手作りプレートというこだわりよう。温製はマドレーヌとドフィーヌ。冷製は鰯のマリネとクスクスのタブレ、生ハムメロン、ウフブルイエ。素敵なプレートで生き生きしたアミューズ、色々な味わいが楽しめます。
次のペアリングワインはフランス・ボルドーの「LES ARUMS DE LAGRANGE 2015」。葡萄はソーヴィニヨンブラン、セミヨン、ミュスカデル。ソーヴィニヨン・ブラン特有のハーブの香りが漂い、凝縮した果実味としっかりした酸味と爽やかで上品な辛口ワイン。
ワインと合わせるお料理は「タスマニア産サーモンのショーフロア 根セロリのクロッカン」。サーモンをくるんだまったりとしたショーフロアソースと根セロリの爽やかなアクセントが先ほどの白とすごくマッチ。
焼きたてのパンは表面カリッと中はふわふわ。バターとコレだけでワインが美味しくいただけそうです。
次の料理に合わせるワインはローヌの「2013 Mouton Condrieu Côte-Bonnette」。葡萄はビオニエ。スペシャリテに合わせて熟成感のある飲み頃ワインとのこと。濃いめのイエローに芳醇かつ華やかな香り、黄桃やマンゴーのコンポートの甘い、白い花、バニラの香りがすばらしい。好みなタイプ。
「フランスベリー産レンズ豆の煮込み 胸腺肉と秋トリュフ フォアグラと燻製卵」。旨味がしっかりしみ込んだレンズ豆にまったりとフォアグラ、そして胸腺と食材の組み合わせも楽しめます。南フランスのニュアンスを感じつつ、シェフの真心が感じられる一皿。
今度はお魚に合わせてプロバンスのロゼ「Chateau Bas le Temple Rose」。葡萄はグルナッシュ主体。アプリコットやオレンジなどの香りにジンジャーのようなスパイシーさもあり、ドライなロゼ。
「真子鰈のムニエル 赤パプリカのソース ピマンデスぺレット風味 」。ふっくらとムニエルされた鰈にパプリカの甘く滑らかなソースがよく合います。そこに先ほどのロゼのマリアージュはさすがといったところ。
口直しの「ジントニックのグラニテ」。スプーンの上のお砂糖みたいなのは、ペタセタキャンディー。グラニテと一緒に口に含み、パチパチしながらいただきます。
厨房のほうをふとみると、後半にむけて慌ただしくお料理をつくっております。
メインの鴨に合わせるのは赤2種類。まずはボルドーの「La Chartreuse de Beauregard Pomerol 2011」。葡萄はメルロー 75%、カベルネ フラン 25%。ボールガールのセカンドワインとのことで、黒い果実の香りになめらかな口当たりとクオリティはさすがといった感じ。
もう1種類はフランスではなくオーストラリアの赤。「Blaufraenkisch Burgenland Uwe Schiefer 2013」。葡萄はブラウフレンキッシュ。初めての葡萄で元々長熟タイプのようですが、軽やかにそしてしっかりとお肉にもあう上品な仕上がり。入手困難なナチュールワインのようですね。
「フランスランド産 鳩のヴィエノワーズ風 天然茸とアンディーブのソテー添え 」。茸の大好きなシェフか繰り出すお肉料理は、まず香りだけでまずは楽しめます。表面は衣で旨味を包み込み、ソースと茸でいただく鴨は滑らかでエレガント。赤ワインも強すぎずエレガントな2種類なので、鴨料理をとても引き立ててくれます。
「10月の畑の野菜 鳩の腿をパートフィローで包んで」
お肉の後に出てきたのは、同じ鳩をつかったもの。こちらはシンプルにサラダと鴨を楽しめる感じ。
アバンデセールは「温州みかんのプリン エピス風味のジュレ」。とろとろプリンに甘く煮込んだ柑橘の食感と香りが心地よい。
デザートに合わせたのはシュッド・ウエストベルジュラックの甘口白「Monbazillac Blanc 2007」。葡萄はセミヨン、ミュスカデル。このエリアの甘口ワインは甘ったるくなく、酸があり飲み口がいいんですよね。
そんなワインに合わせたのがグランデセールの「ムッシュマルコンの栗のタルト 洋梨の赤ワイン煮とダークラムのアイス添え」。まろやかな栗のタルトは絶品でワインとのマリアージュも最高。こういう組み合わせはフランスらしくて大好きです。
食後はコーヒーと小菓子。チョコやサバランなど最後までしっかりスイーツ。コーヒーはNespressoプロフェッショナルを使用。12種類のグラン・クリュから選べました。
最後にシェフの長氏とソムリエの林氏からお話を伺いました。あうんの呼吸で毎月お料理とそれを引き立てるマリアージュワインを組み立てていらっしゃるとのこと。シェフの長氏は静かな方でしたが、お料理に対する情熱や想いも強く、安心してお料理をお任せできるそんなオーラがありました。
安定感と誠実さを感じるフレンチに遠藤利三郎商店のワインたちのマリアージュとワインラヴァーのためにオープンしたようなお店。 まだあまり知られていないようで、気になる方は予約がとりずらくなる前に行かれることをおすすめいたします。
レストラン ラ ルレヴ (フレンチ / 恵比寿駅、代官山駅、広尾駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0