フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
この日は市ヶ谷の勉強会の後、オーガニックな食材にこだわっているというフレンチイタリアンへ。ランチはサラダバーが人気で近所OLさんで賑わっているそうですが、夜はしっとりと落ちつきのある雰囲気です。
何と言っても夜は贅沢に食材と料理方法が選べるコースなんです。前菜、パスタ、メイン料理、チーズ、デザート、天然酵母のバケット、コーヒーで10000円。早速シェフが食材の説明をしてくれながら、自分でコースをイメージします。
前菜からメインまでどの食材もこだわっており、選ぶのが本当に大変。でもこれが楽しいんですよね。
いくつか好みの食材を選び、テーブルでワインを頂きながら待つことに。ワインは自然派系ですが、ビオビオしていないきれいな味のものが揃ってます。
最初は南アフリカの白「Badenhorst Secateurs(バデンホースト セカチュア シュナンブラン」。南アフリカのシュナンブランは初めて!オレンジやハチミツやナッツ、トーストなどの香りに、柔らかい綺麗な酸味にジューシーな果実味、そして余韻はクリーミーなんです。かなり好みで美味しいワイン。
そうこうしているうちに前菜の軽くスモークしたサーモン。サーモン自体が脂がのっており、シンプルに素材の美味しさが伝わってきます。
温かい前菜は3つの食材で。大黒しめじのガーリックソテー、丹波の筍の網焼き、ホワイトアスパラガス。こちらも素材を生かしたシンプルな調理法。香ばしい筍、肉厚なしめじ、そしてホワイトアスパラガスの旨味が楽しめます。
バゲットは恵比寿の「空と麦と」から特別におろしてもらっているとのこと。こちらの厳選された食材のお料理にとっても合いますね。
有機野菜のサラダには自家製の甘酒ドレッシングで。ほんのりと優しい甘みのドレッシングはお野菜を生き生きと引き立ててくれます。
ワインは2杯目。オーストリアの白、「Hager Matthias Grüner Veltliner Mollandser Berg(ハギャル・マティアス グリューナー・ヴェルトリーナー モランザー・ベルク)」。葡萄はオーストリアを代表するグリューナー・ヴェルトリーナー。感じはリースリングに近く、凛としたキリリとした味わい。初夏のランチに冷やして頂きたいタイプ。有機野菜のサラダとかなりぴったり合います。
パスタはフィットチーネと桜えびを選んでお任せで作ってもらいました。茸が好きといったら、茸まで入れていただいたペペロンチーノ。桜えびの香ばしさがたまらない仕上がり。
メインのお魚はホタテとアイナメを。こちらも料理方法はお任せで。ホタテもアイナメもグリルしていただき、ネギをアクセントとしたソースでいただきました。
お魚のボリュームを少なめにしたので、お肉も少しいただくことに。お肉に合わせてのワインはスペインの3世代ラベルが印象的な赤。「Matsu El Picaro(マツ エル・ピカロ)」葡萄はティンタ・デ・トロ100%。以前もいただいたことがあるのですが、おじいちゃん、お父さん、息子さんの顔に表現されるように、息子さんのラベルは豊かな果実味に満ち溢れ、ジューシーな香りと味わいなんです。「マツ」というワイン名は、日本語の「待つ、松」からわびさびをイメージしてつけた名前とのこと。美味しいワインです。
メインのお肉は岩手の短角牛とみらい豚の盛り合わせ。短角牛はグリルで、みらい豚はカツレツに。最後にカツレツはちょっと重いかもと思ったのですが、脂がさっぱりとジューシーなので、カツレツで旨味を閉じ込めるのが正解。口の中で旨味がじゅわーと広がります。
食後はデザートの前にチーズが!ワインを飲む方で甘いデザートは苦手という方もいるので、チーズのサービスはかなり嬉しい。これでまたワインを飲んでしまいそう。
チーズは少しだけいただき、私の本命はこちらのケーキのワゴンデセール。10種類くらいあるのでしょうか、もう全部頂きたいくらい。
全部は無理なので(笑)、気になるものを3種類ほど選びました。苺のショートケーキ、パリブレスト、そしてプリン。生クリームもつけていただき、大満足。
美味しい食材にこだわり抜き、ワインは自然派で穏やかで、身体にも心にもいい感じ。お料理方法は長年ホテルで経験を積んだシェフにお任せしたので、安心感があって良かったと思います。サービスも心地よく、程よくリラックスしながらゆったりと食事を楽しめました。ちょっと特別な日やオーガニックにこだわる方におすすめのお店でした。