フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
以前から行きたい!と思っていた喜多見の「イートビート」。食べ友さんが貸し切りの会をしてくださるとのことで、参加させていただきました。喜多見って勝手に「遠い」と思っていたのですが、代々木上原から急行などを乗り継ぐと15分くらいなんですね。思ったより近かったです。
お店は駅からすぐの昭和な飲食街の奥にありました。カウンターのみの小さなお店です。奥から女性店主が優しく迎えてくださりました。
この日のお料理はお任せで「猪鍋コース5500円」。飲み物は別とのこと。ワインはナチュール系、日本酒やビールもあるようです。
最初の乾杯は、微発砲ワイン「Glou Glou Mauzac 2015」で。フランス・ランドック、葡萄のモーザック。モーザックといえばシュッドウエストの土着品種なんですが、ランドックでも使われているとは。厚みのある味わいと果実味があり、そしてほのかに甘さも。とっても飲みやすくまろやかでくいくいいけちゃいます。
お料理もスタート。最初はサラダから。色々な葉ものにいちごやモッツアレラ、蛸、黒人参、マッシュルーム、スプラウトなど面白い組み合わせ。でもコレが合うんです。お野菜が美味しくてモリモリといただきました。
あっという間にワインがあいて、2本目は自然派ワインではおなじみの白「Angiolino Maule Masieri」。イタリア・ヴェネト、葡萄はガルガーネガ60%、トレビアーノ40%。ドライでミネラル感もあり、スルスル飲める飲みやすさ。お料理にも合わせやすいですね。
「かき菜とホタルイカの和え物」。和のような組み合わせですが、味はどことなくスパイシー。おばんざい的な一品。
そして「茶碗蒸し」。これは完全に和ですね。牡蠣や海老、銀杏など具材がゴロゴロの優しい茶碗蒸し。
みなさんは木内酒造ネストビール生をいただいているうちに、次のワインをチョイス。「FRANC MASSARD HUMILITAT 2012」。今度はスペイン・プリオラートのワイン。葡萄はカルナッチャ60%、カリニャン40%。中重口とありましたが、黒系の果実に果実の凝縮感があり、程よい旨味と酸もありバランスがいい。しっかりした飲み口のなかにも、穏やかさが広がっている感じ。
そんな赤ワインにあわせるのは、ジビエのお肉。女性店主がハンターでもあるので、自ら猟をして仕留めた蝦夷鹿をいただきます。すごく弾力があり、変な臭みや血合いの味はなくクリアなお肉。仕留めた後、解体までご自身でやっているからこそ、いい状態で出せるそう。
そしてメインは「猪鍋」。この猪肉、かないすごいのです。3歳のメスとのことですが、餌がそんなに豊富ではない野生でここまで脂がのるということは、個体としてもかなり強かったのではないか?とおっしゃっていました。なかなか頂けないお肉、大事にいただきます。
お野菜はハンターの後、その近所の農家さんや道の駅などで新鮮なものを買ってくるとのこと。茸たっぷりで嬉しい!
スープは味噌ベースでグツグツ煮込みます。猪からのお出汁と脂がたっぷりと野菜にしみこんでおります。こちらのお肉も全く臭みがなく、そして脂の部分がホントに食べたことが無いくらいきれいで美味しい。昔いただいた温泉宿などの猪鍋、あの臭さはなんだったんだろ?というくらい。しとめ方、処理の仕方でお肉の味って本当に変わるんですね。
そして鍋といったら日本酒。秋田清酒の「刈穂 純米吟醸 かわせみラベル」。フルーティーできれいな飲み口、ほどよい甘さもある食中酒なので、お味噌ベースの鍋にもぴったり合いました。
最後の〆はもちろんカレー。カラフルできれいな見た目、お味は豆腐、海老、チキンの3種類。ビーガン向けというこの黄色いお豆腐のカレーは一番好み。こちらのカレーは、美味しいだけでなく身体への負担も少ないので、いくらでもいただけそうです。
デザートに「苺のアイス(ヨーグルト?)」をいただきましたが、お写真とり忘れ。ヨーグルトのような滑らかで穏やかなデザートでした。
結構飲んだはずなのですが、お料理と合わせて一人9000円ちょっとのお会計。貸し切りという雰囲気もあり、店主も会話にまざりつつ楽しい会となりました。お肉からお野菜、ワインまですべてがナチュラル!まじりっけなしの自然の恵みは心にも身体にも優しいお料理たちでした。