フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
先日の富山・金沢旅行の続きです。2日目のランチは大正10年創業の金澤老舗料亭「壽屋」さんへ。金沢市文化財指定されている建物は趣があって素敵な佇まい。こういう建物がキチンと残っているというのも素晴らしいですね。
中に入ると、時代劇のような玄関に和服をきた女将がお出迎え。少しドキドキしますが、友人が予約を入れてくれた個室へと向かいます。
個室に入るとまず目に入ったのが床の間。そして金沢特有の群青色の壁。風の強い外とは違い、静寂が漂っています。
ランチは「壽屋会席料理 お昼の膳(蘭)4,860円」。個室料金で+324円です。飲み物は地ビール「金沢百万石ビール ペールエール」に。こちらもブルーのラベルが印象的。
お料理は一皿一皿、個室に持ってきていただきます。最初は「先付:山葵菜のおひたし」。お出汁にピリッとしたわさびの辛み。
「吸物:竹の子と木の芽真蒸」。春を感じる竹の子のしんじょうとワカメの海の香りに舌鼓。
「造り:ヒラメ、甘エビ、烏賊、山葵」。黄色の素敵な器に可憐で美しいお造りたち。新鮮さでキラキラ光っています。
「焼き物:鯛くるみ味噌焼き」。真鯛の西京焼にくるみ味噌をつけて。手間を重ねた焼き物とお野菜の組み合わせが丁度いい塩梅。
「中皿:韃靼そば」。心地よい苦みの蕎麦に甘めのお出汁。いくらでも食べれそうなそんな味わい。
「羹:つくね蒸し」。ねっとりとした食感と甘みのつくねいもに、餡の優しいお出汁が包み込んでいます。
「揚物:胡麻豆腐」。胡麻豆腐の揚げ出しと茄子とインゲンの揚げたもの。胡麻豆腐はこちらのオリジナル商品で口溶け滑らかで、濃厚な味わい。
「ご飯:いくら白むし、あおさのりと豆腐の加賀味噌汁」。柔らか白むしにいくらが合いますね。
「水菓子:ヨーグルトムース」。さっぱりと最後の口直しに。
コース内容は全体的に上品で可憐、ボリューム的には女性向きですね。お部屋の雰囲気とお皿が同期しているような、そんな一体感を感じました。
改めてお部屋から出ると天井の柱が太く、光の入り方が何ともいえず風流。こうやって旅先で落ちついて食事をいただけるなんてとても贅沢な時間でした。
揚げ物で出していただいた胡麻豆腐ですが、お店で販売していたので思わず購入して帰りました。パッケージが金沢に由来したテクスチャーでオシャレでモダン。気の利いたお土産にもおすすめですね。
昼総合点★★★☆☆ 3.8