フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
「シャルキュトリー」という言葉、ここ数年でビストロなどで良く聞かれるようになりましたね。
フランスのシャルキュトリーは豚肉加工食品として数千年の歴史があり、古代から受け継がれた伝統とのこと。そのフランスの美食遺産であるシャルキュトリーの普及のため、FICT(フランス・シャルキュトリ・ケータリング・食肉加工工業連盟)によるセミナーがフランス大使館で開催されました。
最初にティエリー・ダナ駐日フランス大使からのご挨拶。日本でのシャルキュトリーの普及を目指す日本シャルキュトリ協会(ACFJ)の名誉会長もつとめています。
そしてFICT会長のロベール・ヴォリュト氏より、今回のセミナーで日本の皆さんにフランス産のシャルキュトリーをもっと知ってもらうとともに、フランスの伝統、文化、ノウハウも感じて欲しいということでした。
シャルキュトリーの歴史は古く、紀元前からガリア人が豚を飼育していたことにより、豚肉を加工する技術があったとのこと。1968年には「シャルキュトリ規定書」が作られ、その製法、塩漬法、食肉缶詰の製法が明記されました。今ではなんと450種類の製品が規定書に記載されているそうです。
またフランスのシャルキュトリーは地域の土壌や気候の違いによって、様々な種類が存在しており、まるでワインのよう。この後バラエティあふれるシャルキュトリの説明や、フランスでいかに法律で厳密に管理されているか、そして生産者のオテイザ氏のお話もお聞きしました。
盛りだくさんのセミナーの後は、フランス大使公邸に場所を移して、本場フランスのシャルキュトリーたちの試食会。まず目を引いたのが、生産者代表でいらした「ピエール・オテイザ」氏のブース。シュッド・ウエストのアルデュード渓谷で育てられるブランド豚「バスク豚」を使ったシャルキュトリの数々。
オテイザ氏も自ら生ハムも切り分けてくれました。味はしっかりと濃厚でシュッド・ウエストワインと合わせたら最高なマリアージュを楽しめそう。
隣のブースでもスライスしたての生ハムをいただくことができました。
奥にいくと、こんなオシャレな「生ハムの貴婦人」が!SNSに早速掲載したら「レディ・ガガの生肉ドレスより素敵」とコメントをいただきました。さすが、フランスらしいプレゼンテーション。
こちらは神楽坂のフレンチ「LUGDUNUM Bouchon Lyonnais」のシャルキュトリたち。サラミにパテアンクルート!
そしてリエット、ブータンノワール、様々なパテやハムたち。
そしてこちらはソーセージ。日本でよくあるのはアメリカンスタイルでフランスのものとは少し違うとのこと。挽き肉 (豚、鶏など) に塩を混ぜ、地域独自のレシピで味付けしたものを腸詰めにして作られ、あらかじめ加熱処理されたものと、加熱調理して食べるタイプのものの2種類があるそうです。
そしてシュッドウエストのカスレには、トゥールーズのソーセージがたっぷり!
こちらは日本ではあまり見かけない「ブータンブラン」。白い肉 (豚と鶏) をベースに、パン、牛乳、脂肪を混ぜて加熱して作られるソーセージで、ふんわりとした口当たりにとっても優しい味わい。
ソーセージを作るプレゼンテーションも行っており、出来立てのソーセージも美味しそう!
今回、シャルキュトリーについて本当に多くをを知ることができました。種類が豊富ですべてご紹介できませんでしたが、詳しく知りたい方は以下のページを是非のぞいてみてください。シャルキュトリの歴史から種類など詳しく紹介されています!
シャルキュトリー・フランセーズ
http://charcuterie-de-france.jp/
そして「シャルキュトリー」を知ってもらう活動に参加されたい方は、協会ページのほうもご覧ください。
日本シャルキュトリー協会
http://www.charcuterie.jp/
<最後に>
フランスでの悲しい出来事は何とも許しがたいことではありますが、日本から微力なりともフランスの食やワインでの応援させていただければと思っております。