フードメディアディレクターの福田美佐子です。
先日みんなで今度美味しいものが食べたいね!といっていたら、友人のおすすめということで麻布十番にある「不風流(ぶふりゅう)」をセッティングしてくれました。
お店は麻布十番から住宅街方面の東麻布にあり、隠れ家的な落ち着いた雰囲気。店内もとても広々としており、重厚ささえ感じられます。
最初はシャンパーニュ「ロワイエ・エ・フィス キュヴェ・ド・レゼルヴ NV」で乾杯。ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%の黄金比率とのことで、エレガントで雑味のない飲み心地。気持ちいい一杯。
お料理は12,000円のお任せコースのみ。ちょっとづつ、いろいろな種類のお料理が出てくるとのこと。酒飲み、小食の私にとってはこういうコースはすごく嬉しい!飲む人の気持ちを分かってくれるお店ですね。
最初の盛り合わせは「アワビ、かぼちゃの花の天ぷら、伊勢海老の炙りと紫雲丹、つるむらさきの花」。小さいながらもどれもしっかりと仕事をされています。
食材もこだわっており、今回初めてつるむらさきの花をいただきました。プチっとつるっとしたなんだかちょっと不思議な食感。
続いてお酒は白ワインに。フランス・ランドックの「ドメーヌ・ド・ムーリーヌ ヴィオニエ」。ヴィオニエ100%でフローラルな華やかな香りと濃厚な味わいで、めちゃくちゃ好み!
そして次のお料理たちは「マコガレイで巻いたコリンキー、フルーツトマトと白海老、金時草のおひたし」。コリンキーというのも初めてだったのでお聞きしたところ、生でいただけるカボチャのようです。シャキシャキとした食感とマコガレイの上品な旨味の組み合わせまたいい。白ワインにもぴったりと合います。
お酒のほうですがワインよりなんだか日本酒がいただきたくなり、次の料理に合いそうなものをとお願いしたところ「東一 純米吟醸Nero」を持ってきていただきました。日本酒といっても、軽やかで飲み易いワインのような飲み心地。南国フルーツ様の香りに個性的な酸味、まろやかでしっかりした味わいがいい。
そしてモダンな器に入ってでてきたのは「鱧のお椀」。ふんわりとした鱧にのどぐろのお出汁がまとわり、なんともいえない旨味が広がります。
お水をお願いしたところイギリスのバッキンガム宮殿御用達のプレミアムウォーター「HILDON」を出していただきました。このお水、先日もいただいたのですが、まろやかでエレガントで美味しいのです!
「ドラゴンフルーツのつぼみのきんぴら、鰹のたたき、ひも唐辛子、うなぎ」。またちょっとしたものがお野菜とお魚がバランスよく出てきました。鰹はとろけるようで美味でしたし、ドラゴンフルーツのきんぴらは穂先メンマのようなシャキシャキした食感。とにかく1つ1つがとても楽しいお料理たち。
焼き物のお魚は「イサキ」。ふんわりと脂がのったイサキのシンプルな素材の美味さがつたわってきます。
そして焼き物のお肉は「能登牛と軍鶏」。能登牛はサーロインでしょうか、程よい火入れの牛の下には参鶏湯風に炊いた軍鶏、そしてリゾットとかなり複雑で手が込んでいます。みんなの個性を合わせて一つの美味しいものに出来上がっているそんな一品でした。
引き続き、お酒は日本酒で。雄町の写楽があるよ!とのことで迷わず「写楽 純米吟醸 赤磐雄町」。岡山県産赤磐地区雄町100%使用、精米歩合55%、はせがわ酒店のオリジナル日本酒で数量限定のレア酒。アルコールの尖ったところがなく、とにかくまろやかでフレッシュ、香りも軽やかで、最後まで旨味が口の中に広がります。美味しいですね。
日本酒でふんわりといい気分になっていたら、メインの握りがでてきました。まずは「中トロ・キスの昆布締め・北寄貝・イカ」の4種。赤酢の小ぶりのシャリにピカピカなネタ。高級なお寿司屋さんに負けないくらいのクオリティ。
そして2皿目は「アイナメ・コハダ・大トロ・穴子」。実は光りもののコハダはそんなに得意ではないのですが、こちらのは美味しくいただけました。もちろん、他のネタも美味しくいただきました。
〆は「伊勢エビのお味噌汁」。海老の旨味が飲んだ身体にしみ込みます。
食後は「コーヒー風味の豆乳プリン」。豆乳を使っているためとてもさっぱりとしており、黒蜜で和風な仕上がりに。甘さ控えめの上品なお味でした。
この日は友人たちとの会話も弾み、お酒もたくさんいただき大満足。小ぶりのお料理たちはどれも手抜きなく、それを演出する器やお酒のマリアージュがたまりません。接客もスマートで、こちらはホントにオトナが通いたくなる上質な隠れ家ですね。今回は女子会でのお伺いでしたが、接待やデートなどちょっと特別なときにおすすめなお店です。