フードメディアディレクターの福田美佐子です。
2月に隠れ家バーの「bar bossa」に訪問した際に、その目の前にオープンしていた日本酒のお店。Facebookページで積極的に情報を発信しており、かなり注目しておりました。そんな気になるお店に先日やっとお伺いしてきました。
場所は初めての方だと少し迷われる奥まったところに、突然オシャレな建物がどどーんと現れます。
店内は天井が高く、広々とした空間。カウンターとテーブル席の他に中二階にはロフト席もあり、利用シーンによって席を選ぶことができます。
この日は2人だったので、日本酒が見えるカウンターに。ちなみに日本酒のラインナップは常時45~50種あるようで、量もグラスで65mlと90ml、片口で1合、2合と選びやすそう。
まず出てきたのが、「お通しはつみれ汁」。ほっこりとしてお酒を飲む前に胃を整えるのにいいですね。
日本酒ですが、まずは「飲み比べ3種セット500円(一人1回まで)」をチョイス。日本酒の好みをお伝えして、店員さんにおすすめを選んでいただきました。
友人はさっぱりとそして甘めの飲みやすいセットで「鶴齢、みむろ杉、若駒」の3種。このラインナップ、なかなかセンスいい!
そして私は少ししっかりと料理に合うもので「東鶴、千代むすび、萩の鶴」の3種。友人のものと合わせて6種類の飲み比べができましたが、これだけの種類がお手頃にいただけるのはすごくいい!
お料理も日本酒にあうものばかり。まずは「筍と庄内あさつきの木の芽和え 680円」。春を感じる素材に酢みそ和え。量は多くないので小鉢メニューは一人でも丁度よいと思います。
こちらのイチオシが「しめ鯖 900円」。ちょっと珍しい海苔酢をつけて頂きます。しめ鯖は脂がのったまま優しく〆られており、なかなかの美味。海苔の風味と鯖の旨味が日本酒にぴたっと合います。
日本酒のほうですが、次はグラスで人気の銘柄を注文。グラスで90mlということで、飽きずに飲めるちょうど良い量だと思います。
私は「風の森 純米しぼり 550円」。米の甘い香りでフレッシュな味わい。開けたてだったので、酵母のプチプチ感もあり、なんだか得した気分。
「新政 No.6 S-type 650円」。No.6 はR-typeとS-type2種類ありました。ピーチ系の甘く優しい味わいは、なんだか切なくなるほど。やっぱり美味しいですね。
お料理もちょこちょこと。「季節の茄子丸揚げ 500円」。シンプルで素揚げした茄子をお出汁で頂きます。茄子大好きなんですよね。
そして「牡蠣のオイル漬け 650円」。小鉢に入っていて少ないかなと思いましたが、6つほど入っていたでしょうか。ワインにもあいますが、軽やかな風の森や甘いNo.6などにも良く合います。
今度は片口の1合サイズでお酒をいただきます。
まずはお料理と合わせるならば定番の「特別純米 伯楽星」。とにかく料理を引き立ててくれる食中酒。シャープな口当たりにお米の旨味がふんわりと広がり、何杯飲んでも飽きがこないいいお酒。
そして「楯野川 中取り純米大吟醸美山錦」。とにかく酸味のバランスが素晴らしく、ワイングラスで飲んでも様になる食中酒。和食はもちろん、洋物にでも合わせてくれる素敵なお酒。
そんな素敵な食中酒たちに結局合わせたのが「あっさり牛すじ大根 600円」。想像以上にさっぱりとしたスープに牛すじと大根が浮かんでおります。お腹に優しい一品。
そして「お新香盛り合わせ 800円」。全国各地からよりすぐりのお新香たちで、どんな日本酒にも合いますね。
それにしても目の前に日本酒が並ぶカウンター席はかなりおすすめ。店員さんとの会話も弾み、いろいろな日本酒を試したくなっちゃいます。そんな中、気になった「ど pink」は味見で少々いただきました。「ど辛」を出している秋田の蔵元のお酒のようです。ど辛もかなり辛口で美味しいお酒なのですが、この「ど pink」も辛口なしゅわしゅわな濁り酒でかなり旨い。
この日はこれだけ色々な種類の日本酒とお料理をちょこちょこつまんで、一人5000円弱のお会計。なかなかお財布にも優しくて、使い勝手がいいですね。
今までは「酒菜亭」がこの辺りの日本酒の店では有名でしたが、新興勢力として「Sake Fun ぞっこん。」が台頭してきそうな予感。「酒菜亭」が昔からの居酒屋スタイルだとすれば、「Sake Fun ぞっこん。」一歩進んだオトナの日本酒バルといったところでしょうか。
とにかくお一人様やデート、そして団体でも使える使い勝手のよさと、定期的にイベントを開催して気軽に立ち寄るきっかけをつくってくれているのもなかなか考えられていると思います。
日本酒好きな人はもちろんのこと、バル的に気軽にオシャレに和食とSakeのマリアージュを楽しみたいときに、オススメなお店です。
夜総合点★★★☆☆ 3.7