年末年始は比較的おとなしくしていたのですが、今年も始動ということで以前から気になっていたお店に日本酒好きのお友達と一緒にいってきました。場所は恵比寿でも落ちついたエリアにあり、大人の隠れ家的な雰囲気です。
お店に入ると入り口に日本酒のディスプレイが。日本酒好きとってはこういうインテリアはテンションがあがります。
この日は4人だったので、テーブル席へ案内されました。メインが日本酒なので、とりあえず料理はアラカルトにしました。
最初に出てきたのがお通しなのですが、何と「ご飯」と「日本酒」。これは利き酒ならぬ、きき米なのでしょうか?改めて最初にご飯を頂くと、ほんのり米の甘さが分かっていいかも。
そして日本酒はおちょこでいただきます。陶器やガラス製などかわいいものがたくさんあるので、選ぶのも楽しいですね。
最初の日本酒は大好きな「山間 仕込み1号 純米吟醸酒」から。プチプチとしたガス感とライチのようなフレッシュな味わいがかわいいお酒。やっぱり美味しいなあ。
お料理は「珍味盛り合わせ」。佐渡産 河豚の子粕漬、鯨の塩糀漬、村上鮭とばとかなり郷土色が強い組み合わせ。とにかく日本酒がすすむ旨味と塩分!きらいじゃありません。
そして「紅ずわい蟹甲羅焼」。蟹のほぐした身に蟹味噌、葱が甲羅にたっぷりとはいっており、食べる前に上に載っているお味噌をしっかりと混ぜていただきます。蟹と蟹味噌はもちろん、葱と味噌が加わることでよりいっそう酒の肴にぴったりの味わいになっていますね。これはもう完全に日本酒のためのお料理です。
日本酒もどんどんすすみ、あっという間に次を注文。「たかちよ『緑』生原酒純米おりがらみ」。冬限定のしぼりたて生原酒。ジューシーでフレッシュな味わいに米の旨味やキレ、そしてプチプチとしたガス感もあり、本当に美味しい!
「お刺身盛り合わせ」は本マグロ、めだい、さわら、鯛のまつかわ、すずきの5種盛り。一番好みだったのが一手間加えたさわら。皮を軽くあぶっており、これがまた香ばしく美味い。お刺身はそのときのおすすめのものがいただけるとのこと。
3種類目の日本酒はお店の方が持ってきてくれた「上越やすだ」。お店と同じ名前のラベルの大吟醸酒。酒蔵さんのお名前を失念したのですが、すっきりとした辛口の中にさわやかな米の旨味を感じるお酒。
「上越田舎のっぺ」。新潟でお祝い事の集まりで頂く郷土料理とのこと。とろみのついた和風のお出汁に里芋、ごぼう、しいたけ、人参、じめし、銀杏がはいっており、ほっとする煮物。
「なごみ豚の塩糀焼き」。食のリサイクルで育てられたブランド豚。まろやかな脂身と旨味が特徴とのこと。塩麹でより肉質が柔らかくなっており、豚肉の旨味を楽しめる一品ですね。
日本酒はちょっと珍しいものを出していただきました。「学校の蔵」というこのお酒、廃校になった小学校を仕込み蔵として再利用し、作られた第一号とのこと。佐渡の越淡麗(精米歩合60%)を100%の純米酒で力強く濃厚な旨味、杉の含み香がさわやかな余韻を感じる。なんだか小学校に思いを馳せてしまうお酒ですね。
学校のプロジェクトについて詳細はこちら。http://www.obata-shuzo.com/home/gakkogura0.htm
そろそろ汁物で締めようということで「スキー汁」なるものを注文。もともとはスキーの発祥地、金谷山で滑走訓練に明け暮れる将校の為につくられたものらしいですね。身体が温まる上越地方の豚汁というイメージでしょうか。サツマイモを入れるのが特徴で、他にも豚肉や人参、こんにゃく、椎茸、葱などお野菜たっぷり。飲んだ後にも、ほっくりと心も身体も温まる汁物です。
最後にもう一杯ということで「にごり酒 五郎八 田舎造り」。菊水酒造のにごり酒で、ドロドロした見た目通り、甘くて濃くて力強い旨味。アルコール度は21度。〆のデザート日本酒的な感じで意外とよかったです。
こちらのお店、とにかくいろいろな新潟の地酒が楽しめるのがうれしいですね。郷土料理といいつつ、カウンターの奥では料理人がしっかりと料理を作っている姿も安心できます。カウンター席にはやはりカップルが多く、大人のデートにもよさそうです。
この日は4人でいろいろ飲んで食べて1人7000円くらい。この落ち着いた空間でこのお値段であれば、かなり使い勝手がいいかも。奥には個室もあるようなので、接待でも使えると思います。
ほっこりした郷土料理に、新潟の地酒、東京にいながらスローフードが楽しめるそんな素敵なお店でした。日本酒好きの方は是非!