前日に1人空きがあるということで、偶然に行くことが決まったこちらのお店。あまり事前情報が分からず調べてみると、結構個性的なお店らしい。
とりあえず当日、予約時間の19:30丁度についたのですが、友人たちが15分前についたら「まだ準備できてないよ」と入店を断られたらしい。そんなお母さんひとりで切り盛りしているタイ料理屋さんはカウンターのみで、使い込んだ調味料たちが所狭しとならんでいる。
しばらくすると全員が集まったので、まずは飲み物。「冷蔵庫から自分でとってね。」とお母さん。冷蔵庫から一人一本「シンハー600円」 を取り出して乾杯!
予約はコースの5500円のみ。おまかせというよりは好きなものをリクエストした方がお母さんはつくりやすいとのこと。
すでに幹事さんがリクエストされていたので、そちらのお料理が出てくるのを楽しみにしながら待つことに。
最初にでてきたのが「生春巻き」。写真では分かりづらいですが、とてもビックサイズ。生春巻きの中にはたっぷりハーブとひき肉がぎゅうぎゅうに入っております。かなり食べ応えがあり、ハーブの爽やかな風味がすごくいい。なんだろ、こんなハーブたっぷりの生春巻きは初めて!
それにしてもお母さん、カウンター越しにノンストップ話しかけてくれます。みんなの好みなどを聞いたり、ハーブの説明や食材のこだわりなど、とにかく止まりませんw。でもそれは嫌な感じはせず、なんだか親近感があるんですよね。
2番目に出てきたのが「グリーンカレー」。これもサイズが伝わらないのですが、大きな器に大きく切った具材がたっぷりの具がメインのカレー。冷凍していないコブミカンというハーブでグリーンカレーのペーストを1から作っているので、素材が手に入らないと作らないとのこと。とにかくハーブのこだわりがすごい!
グリーンカレーも爽やかなハーブが口の中で広がり、そして具材の筍と鶏肉を口いっぱいにほおばると何とも至福。今までのグリーンカレーとはひと味もふた味も違う、そんなスペシャルな味。ハーブのこだわりの違いなんでしょうね。
それにしてもお料理が出てくるペースはゆっくり。それもそのはず、他のお客さんのものも含め1から丁寧に1人で作っている訳でそこはここのお店のご愛嬌。ワインを飲みながら次の料理が出てくるのをゆったり待ちます。ちなみにワインの持ち込みは1本1500円とのこと。
そしてまたもや大皿で出てきたのが「ラープムー(豚肉とハーブのサラダ)」。いろいろと説明していただいたのですが、豚肉でも豚肉の皮?とかも入っているらしい。驚くべきことはやはりハーブの量。これだけ肉が入っているとニクニクしいかと思いきや、さっぱりと止まらない美味さ。ハーブの他にたっぷりにレモンが入っているので本当にさっぱりすっきりいただける。
想像以上にボリューミーなラープムーでかなりお腹が満たされた後は、「プーパッポン(ワタリガニのカレー炒め)」。ソース多めのはずだからまあ大丈夫でしょうと思いきや、なんとカニメイン。あれ、想像していたのと違うw。(いい意味で)そんなことをいいつつも、お母さんに食べ方を教わり豪快で手でつかみとり、まずはカニ肉に食らいつく。カニの身ふわっとしていて、何とも美味。
どうも1人1匹分のカニが入っていたらしく、このカニを食べている間はだれもしゃべらず黙々といただく。それにしてもタイ料理屋さんでこれだけカニを食べるとは思ってもみませんでした。
かなりカニでみんな想像以上に満腹になったところで、〆は「トムヤムクン」。今度こそスープなんだからそんなに大丈夫だろうと思いきや、、海老大きくないですか?とお母さんに聞いたら「1匹300円するよ」とのこと。これってもう海老フライにするレベルの大きさ。スープは優しい酸味と辛味、そしてハーブと大きな海老。美味しいんです、ですが量が最後まで半端無かったですね。
コースの食事をすべていただいて、食べ終わったら11:30。お腹いっぱいなのは、ゆっくりと時間を食べて食事をしたせいもあるかも。最後にお会計をすると1人7200円なり。タイ料理にしてはお高めかもしれませんが、この食材のこだわりとハーブたっぷりのお料理にはかなり満足することができました。
結局最後までお母さんは話し続け、そして見送り。普通のお店とはちょっと違いますが、愛情たっぷりのお母さんのお料理と楽しい会話は心にとてもあたたかく、素敵な余韻がいつまでも残りました。またハーブたっぷりのタイ料理が頂きたくなったらお伺いしますね。
補足:初めての方は既にいったことのある方とご一緒することをおすすめします。初めてで予約されてもドタキャンする方も多いらしく、その際には食材がムダになることが多々あるそう。そういう事情で初めての方にはちょっと厳しめかもしれません。