とある休日の昼下がり、とある紳士にお誘いいただき「シェ・イノ」にて紳士淑女のランチ会。普段よりちょっとだけオシャレをして訪問。
この日の参加者が集まり、シャンパンにて乾杯!
お料理はランチなのにフルコースでゆったりと。心地よい空間の中で、まずは「温度卵とトリュフピューレ」。鼻を抜けるトリュフの香りに心を奪われる。
ワインはお料理に合うものをすべておまかせ。最初は「Chateau Cos d’Estournel Blanc 2008」。非常に美しく凝縮したアロマがさわやかに鼻に抜けていく。そう、桜が終わり新緑が芽吹いてきた季節にもぴったり。
その白に合わせるのが「ホワイトアスパラと筍」のお料理。旬の野菜にトリュフが入ったソースがふんわりと素材を包み込む。
つづいてフォアグラ料理。紳士曰く、付け合わせのトリュフが入ったシフォンが実は一番美味しいとのこと。とはいいつつも「フォアグラのソテー」の火加減やフォアグラ自体の美味しさは素晴らしい。
「フォアグラのテリーヌ」はレバーのような濃厚さ。
お魚料理は「舌平目のブレゼ ロワイヤルソース」。ソースをいただく魚料理という感じだろうか。そのクラシカルなスタイルを黙々と受け入れる。
紳士は本日の魚料理をオーダー。春らしい軽やかなお料理。
そしてメインのお肉料理。「鴨のオレンジソース」。レアな火入れの鴨はとても柔らかく、そのお肉を小粋なオレンジソースが引き立てる。こんなにも優しい鴨は初めて。
そしてスペシャリテの「子羊のパイ包みマリアカラス」。しっかりとした仔羊の中にはフォアグラ。重厚なその姿はお皿とも一体化しており、見た目も美しい。
メインの後はデザート。冬の終わりと春の始まりを告げるような「メレンゲと苺のソース」。苺の酸味になぜだか少しだけ切なさが感じる。この食事もそろそろ終わりかもという寂しさなのか。
チーズたちもやってきた。どれも魅力的だが、あまり欲張らずにミモレットのみをいただく。
食後酒とともにチーズで余韻を楽しむ。またこれも贅沢。
気がついたらランチのお客はいなくなり、お店の方々は夜の準備を始めている様子。フランス人のような長いランチにお店の人も何も言わず見守ってくれている。
ケーキワゴンもやってきたので、私だけケーキたちも頂く。やはりスイーツは別腹。
紳士淑女の方々はアイスクリームの盛り合わせ。
シェ・イノといえば、みんなのあこがれのお店で期待度も高いが、料理だけではその良さは100%伝わらないと思う。やはりここの素晴らしさはワインとの完璧なるマリアージュ。クラシカルなお料理達がワインによって一層素晴らしくさせるのが、シェフやソムリエたちの目利きと経験なのだろう。
こういうお店の行きつけになってみたいものであるが、10年早いといわれそうだ。この日を共にした紳士淑女のみなさまに感謝しつつ、次もシェ・イノにて再会できることを心に決めて。